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街ぐるみで自転車を共有、脱マイカーへ2都市が事業化(2/2ページ)

2010年5月9日13時14分

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写真:富山市のコミュニティーサイクルの自転車は特注品。後輪はチューブレスでパンクしにくく、ライトは自動点灯する=6日、富山駅前、小山写す富山市のコミュニティーサイクルの自転車は特注品。後輪はチューブレスでパンクしにくく、ライトは自動点灯する=6日、富山駅前、小山写す

 日本での展開を探っていたところ、環境モデル都市として脱マイカー政策を進める富山市が手を挙げた。同市での事業の運営はフランスと同様に、自転車や拠点に掲げる広告費や、利用料でまかなう。4月30日時点で登録者は719人。計5404回の利用があった。宿泊客へのサービスに使いたいと、ホテルから法人契約の打診もあるという。

 シクロシティは「暖かくなればもう少し利用者が増えるのでは。富山で成功すれば他都市にも広げたい。その場合は広告効果のある大都市への展開が考えられる」と話す。

 北九州市では、駐輪場や観光貸自転車を運営してきたNPO法人のタウンモービルネットワーク北九州が、小倉駅を中心に拠点10カ所を置き、3月27日から事業を始めた。

 こちらは電動自転車を導入。24時間借り出せて基本料金は月525円。利用時間の累積1時間ごとに105円かかる。

 5月6日現在、一般会員は85人。同法人の植木和宏理事長は、「会員が250人集まれば運営費を賄える」と話す。市役所の各部署と団体契約をする予定で、企業にも「外回りに使って」と呼びかけている。「3キロ以内は車ではなく自転車で移動する、という街にしたい」

 拠点設置などの初期投資には、両事業ともに国から1億円を超す補助金が出ている。自転車政策に詳しい古倉宗治・住信基礎研究所研究理事は「公共交通ととらえれば、新幹線や道路と同じインフラ整備だと言える。ただ、運営費を料金と広告だけで賄うためにも、駅と繁華街の人の流れなどをよく調べ、自転車の潜在需要に見合う規模にすることが大切」としている。(小山謙太郎)

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