Windowsの良いメンテナンス方法、悪いメンテナンス方法をご存知でしょうか?
掲載日時:2010.05.01 20:00
「Windowsシステムが迅速に円滑に動かすにはどうすれば良いのか」という話を振ると、多くの方が自分流のメンテナンス方法論を披露してくれるかと思います。その方法論の一部は、半永久的に役立つかも知れませんが、その他の方法論はもしかしたらその都度その都度で変わり続けていくタイプのものかも知れません。Windows PCを痛めることなく上手くメンテナンスする方法を今回は取り上げていきたいと思います。
まず手始めに下記のチャートをご覧下さい。ネットで出回っている情報だとかIT系の人によるアドバイスなどに基づき、
「良さそうなもの(Seems Good)」
「悪そうなもの(Seems Bad)」
「良いもの(Is Good)」
「悪いもの(Is Bad)」
に分類されています。
このチャートの詳しい説明は下記をどうぞ。
■悪そうだけれども実は良いもの
ここでは、悪そうに見えるけれども実はシステムにとって良い、とされるものを紹介していきます。
●シャットダウンの代わりにスリープモード/休止状態を活用
特に、高額なバッテリーの交換で痛い目にあったことがある方は、使っていない状態でもノートパソコンの電力が少しずつ奪われている、という状態を避けるためには「スリープや休止状態ではなく、シャットダウンしてしまった方が良い」と考えがちです。
デスクトップの場合であれば、スリープにするかシャットダウンにするか、というのは先月の電気代の請求を見てどう感じたか、というところが重要になってくる問題です。一方、ノートパソコンの場合であればバッテリーの寿命や利便性を考慮する必要が出てきます。システムの起動は時間もかかり、ハードウェアにかかる負担も大きくなります。例えば、3時間後にはまた使う、というのであれば、蓋を閉めてスリープまたは休止状態にしておく、などの方が次回の起動の時にも便利です。
しかし、しばらくの時間使わない、というのであればシャットダウンしてしまいましょう。いずれにしても必要がない場合はコンセントを抜き、バッテリーの心配をする時間があったら少しでも溜まっている仕事を片付けることに専念した方が賢明です。
●Windows Media Player
かつてはWindows Media Playerと言えば、使えないアプリの代名詞と言っても良いほど使い勝手が悪かったのですが、このビルトインアプリの最新版ではずいぶんと事情が代わり、かなりパフォーマンスの良いアプリとなっています。ビルトインストリーミングやアルバムアート機能などを含め、WMPはかなりの進化を遂げています(英語記事)。
●Microsoft Security Essentials
Microsoftによるセキュリティツールは、今まで正直言ってあまり頼りにならなかったのですが、『Microsoft Security Essentials』ではMicrosoftも本気を出して来たようです。このアンチマルウェアアプリは、最初のインストールから全てのマルウェア定義の更新までWindowsユーザは無料で使うことが可能です。その他の有償商品と比べてもほぼ同等のマルウェアの検出能力を有し、しかもWindowsシステムとの相性はばっちりで、ツールバーに新しいアイコンなどを追加することなく使うことが可能です。基本的なセキュリティアドバイスに沿っていれば、セキュリティ対策もこれだけで十分なはずです。しかも無料なので「契約更新の通知」がポップアップされることもありません。
●「Ultimate」以外のWindows
Ultimateというと語感的になんだかすごいもののような気がしてしまい、このUltimate版は他のWindowsなんて目じゃネーゼ、すげーんだぜ、という印象をついつい持ってしまいますが、Windows 7がリリースされる前にPaul Thurrotが初期リリースでリバースエンジニアリングを行ってみたところ、Professionalとそれ以外の価格の安いWindowsとの大きな違いはAppLocker、フェデレーション検索、バーチャルマシンツールなどの有無だけだったそうです。Ed Bottの言葉を借りるなら「Windows 7 Ultimateは多くの企業やITリトラシーの高いユーザ以外の人にとっては無意味な贅沢である」というのが本当のところです。
●「管理者アクセス権限」がないこと頻繁に何かをインストールしたり、改良したりするユーザであれば管理者権限がない、というのはかなり息苦しいことに違いないですが、「You've Just Won a Free iPad」などのバナーをついついクリックしてしまう方にとっては、管理者権限は無限のマルウェアと引き換え可能なクーポン券的な存在なわけです。悪意のあるものに対してアクセスを許可してしまう、というのが実に90%以上のセキュリティ問題の原因となっているのです。なので友達や家族など、自分以外の人がパソコンを使う場合、管理者権限をオフににしておくことを忘れないで下さい!
■良さそうに見えて実際に良いもの
システムメンテナンスの方法として一番無難な部類になるかと思います。良さそうに見えて、実際良いもの、と聞くと当たり前にやっていそうな感じはしますが、最適化やカスタマイズなどあれこれいじっているうちにいつの間にか忘れられていたり、設定が変わってしまっていたり、などあるかと思いますので、今一度ご確認下さい!
●外部ドライブへの自動バックアップ
コーヒーをこぼしてしまったり、電気がショートしてしまったり、間違って消してしまったり、ついついしばらく忘れていたり、というHDDの万が一の故障に備えてバックアップをとること、またバックアップを自動化しておくことは明らかに良さそうに見えて良いメンテナンス方法です。ハードディスクの自動バックアップの設定も意外と簡単に出来ますよ。
●ウェブスペースへ自動バックアップ
外部ディスクにバックアップしていても火事や洪水、神や子供などによる予期せぬ災害によってデータを失ってしまう、データのバックアップを取るのを忘れてしまうというのはある程度想定出来るわけですから、外部ディスク以外へデータをバックアップしておくというのも良さそうに見えて良いメンテナンス方法です。オンラインバックアップツールも多種あり、簡単に使えるようになっていて、最近ではそれほど高くもないので、失って困る、特に失うと損害を被るようなデータはクラウド保存しておくのがオススメです。
●RAMを追加する
デスクトップPCの場合でも、MacBookに自分で追加する場合でも、RAMを追加することは言ってみれば古いコンピュータに再度命を吹き込むようなものです。4GB以上のRAMを積み込むことは必ずしも有効ではない(英語記事)のですが、将来に備えてシステムを現代のスペックに合わせていく、というのは良さそうに見えて実際に良いメンテナンス方法です!
●システムや周辺機器を物理的にキレイに掃除する
ホコリやうるさいファン、キーボードの汚れ、などなど日常的に使用されているパソコンにはあらゆるものが付着しています。仕事の邪魔にはならないかも知れませんが、物理的な汚れは生産性を下げる可能性がかなり高いのでパソコンや周辺機器をたまに掃除してやる、というのも間違いなくパソコンのメンテナンスの有効な戦略の一つです!
●メンテナンスツールの自動化
バックアップの自動化と同様にパソコンを良い状態に保つにはメンテナンス作業を自動化してやると効果的です。ハードドライブの自己修復(英語記事)やCCleanerの自動実行、夜間に出来る修復作業(英語記事)など、割と簡単に設定出来る方法もあるので、その設定にかかる時間は将来の自分への投資だと思ってぜひやってみて下さい。
●Revoアンインストーラの活用
プログラムの追加/削除を行うためのツール『Revo』は素早く深く作業を行ってくれるパワフルツール。不正な書き換えなどを削除し、Windowsよりも多くのインストールされたアプリを表示し、自動的に起動されるアプリを無効にしたり、名前が分からないアプリを強制終了させたりすることが可能です。
■良さそうに見えて実は悪いもの
さてさて、この記事の中でも最も大切なセクションがここです。良さそうに見えて悪いモノ。
●Windows XPでQoWを無効にする
MicrosoftはWindows更新のためにネット回線の20パーセントを常に確保している、という噂が流れたことがありましたが、それは事実無根です。XP上でQoSやIPv6を無効にしてしまうと接続障害を引き起こす原因となるのでこれは避けて下さい。
●デフラグアプリの実行Windows 7またはVista以降のWindowsではハードディスクのデフラグは既に自動化されているので不要です。またフラッシュメモリベースのデバイスでデフラグを行うと問題が生じる可能性もあります。ドライブをデフラグすることによって大きな問題が生じることはあまりないかも知れませんが、それによってパソコンの動きが良くなるということも考えにくいです(日本版編集部註:SSDのデフラグについては逆の意見もありますので、参考情報としてどうぞ)。
●Internet Explorerでのアドオンの使用
アドオンが必ずしも悪いわけではなく、例えばIEをFirefoxのように使えるようにするアドオンなど便利なモノもあるのですが、Internet Explorerでアドオンを使用すると、アドオンなしで使う場合よりもクラッシュする可能性は高くなります。
●RAM/メモリオプティマイザー
政府による調査が行われ、SoftRAMは全く効果のない史上最低のテクノロジー関連商品である、と位置づけられたという話だけでも十分かも知れませんが、もう少し詳しく説明しましょう。メモリ使用量を上手く管理する方法はありますが、何もないところから突然メモリが降って湧いてくるわけでは決してありません。店頭に並ばなくなったからと言って、これらの商品がパソコンの中にもきちんと存在している物理の法則を越えていくことが出来る、というわけではないので、ご注意を。
●Vistaをマルチコアブートに仮想する
Microsoftが何らかの理由でミスを起こした、と仮定してしまいがちですが、実はそうではなかったのです。たとえ64-bit版でもマルチコアが使えないOSを設計した、という話をライフハッカー(英語記事)も米ギズモードも一度は信じてしまいましたが、これはガセネタです。
●XPでSuperFetchを有効にする
Vista以降のWindowsシステムではSuperFetchを使うと確かにプログラムやファイルの読み込み時間は短縮されます。結論から言うとXPで有効にしても実害はありませんが、どんな手を使ってレジストリ設定をいじってもSuperFetch』はXPの動作を速くはしてくれません。
●Windowsプリフェッチングのクリーニング
よかれと思って掲載してしまったことを後悔したもう一つの記事がこれ(英語)です。起動時にどのデータを待機させるかのログを削除した場合、最善のケースで全く何も変わりません。最悪のケースの場合、Windowsの起動時間が長くなる、などの問題が起こる可能性があります。
●Windowsを定期的に再インストールする
もし命が永久に続いていくとするならば毎年Windowsを再インストールし、アプリケーションを入れ直し、設定をやり直すという作業もさほど気にならないのかも知れませんが、実際問題、何かがおかしくなっていない限り、Windowsを再インストールする必要はありません。バックアップやメンテナンスツールを自動化し、スピードや使用性をキープしていればかなり長い間再インストールなしで使い続けることが出来るはずです。
●レジストリ「クリーニング」
Windowsがアプリケーションが必要としているものやファイルの関連性、その他の設定を保存しているのが Wndowsレジストリですが、過去にインストールしていたアプリなどによって残されたゴミが溜まりやすい場所でもあります。
特定のアプリが原因で問題が起こるようになった、という場合であればレジストリを修復することによって問題を解決出来る場合もありますが、それ以外の場合、レジストリ内の不要なものを削除したところでパソコンのスピードは上がりません。Windowsは何かを実行する際に必要なものを検索します。あるもの全てを端から読み取っているわけではないので、レジストリをキレイにしても、多少汚れた状態であっても動作に影響はありません。
●シャドウコピーまたはシステム復元の無効にするバックアップは取っているし、これは不要だと思うかも知れませんが、これらは無効にしないで下さい。これらを無効にしてもWindowsのスピードは変わりません。しかもWindowsサービスの一部で問題が起こった場合に復元出来ないと、それこそWindowsの再インストールなどが必要になってきてしまうかも知れません。
例えば先日BonourとApple Application Serviceをアンインストールしたのですが、どうやらこれが引き金となって次の日の朝、Wi-Fiが全く使えないという事故が発生しました。システム復元は必ず有効にしておいて下さい!
●不要なサービスを無効にする
ケースバイケースな話ではあるのですが、システム上で実行されているサービスで確実に不要だ、と思うものがあるかも知れません。実際、Microsoftもこれらをチェックすることを奨励しているのですが、これらのサービスが一体何をするのか、ワークフローの中でどのように関わってくるのかなどが特定出来ない限り、無効にしない方が賢明です。
■悪そうに見えて、実際に悪いもの
このセクションの多くはネタかと思うくらいのレベルのものも含まれますが、ここまで書いて来たので、続けて行ってみましょう。悪そうに見えて実際に悪いもの。
●数多くのアルファアプリのインストール自分にとって、とても役に立つ新機能を搭載したソフトウェアのアルファリリースの一つや二つであれば問題ないのですが、ポータブルツールがある場合やインストールが不要なものがある場合、出来る限りそちらを使ってみるようにして下さい。アルファ版、プレリリース、開発版などを数多くインストールするのは問題を引き起こす可能性が高く、どこで問題が起きているのかも特定し辛いので出来るだけ必要なものだけをインストールするように気をつけてみて下さい。
●Type rm -rf / in Cygwin
ネットで見つけた出所不明なターミナルコマンドや構文などが何をするのかが理解出来ない場合、それはあまり触らない方が恐らく身のためです。
「検索をより便利に出来る○○というツールバーをインストールしますか?」という質問には「いいえ」が正解です。この手の問題はAsk.comが未だに存在する理由でもあるわけですが、ソフトをインストールする際には「検索をもっと簡単に」などが書かれていないことをちゃんと確認してみて下さい。
●レジストリ編集中にドリンクを飲む
キーボードの近くに液体を置いておくのは危険です。
●正体の分からないアプリをアンインストールする
上で書いたように、パソコンには不要なアプリが沢山入っていると思いがちですが、特定のアプリに関連付けられたネットワークサービスを見つけようとするよりも、不要なアプリが老朽化していくのを待つ方が賢明です。
●未確認torrentsのインストールネットで拾って来たtorrentsなどをインストールする前に他の人からのコメントを読む、ソースの安全性を確認、MD5 checksumを実行などを行いましょう。一般的にはtorrentsからはソフトをインストールしないことです。
●.ruサイト(ロシアのドメイン)からソフトウェアをインストール
10分間ほど費やしてフリーのオープンソースツールを探すのと、ファイルやシステムの復元に午後が潰れるのと、さてどちらが効率的でしょうか? と考えてみて下さい。
●AdobeまたはJavaの更新をスキップ
バグ修正などの更新が毎日のように届けられる気がしますがこれらは必ずインストールして下さい。ちょっと敗北の香りのする戦略ですが、侵入/攻撃を受けて後で後悔するのは自分です。
と言う感じでWindowsメンテナンスについて書いてきましたが、いかがだったでしょうか?
長文お疲れ様でした。
他にもWindowsメンテナンス方法をご存知の方はぜひコメントで教えて下さい!
Kevin Purdy & Jason Fitzpatrick (原文/まいるす・ゑびす)
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「デフラグアプリの実行」の扱いが間違っています。
図上の位置づけと違う位置づけにしている上に、それらしく内容を説明してしまっている・・・ということは、
翻訳がデタラメということでもあります。
rinfieldさんに禿同
なんでXPから7まで十把一絡げなん?
「デフラグアプリの実行」の扱いは、XP以前のものについては役に立つ場合があるけれど、Vista以降では無意味である、という意味で線より微妙に上に配置されているのでは?
ロシア製だけ悪者にされるのは冷戦の影響?
マトリクス的に4つじゃなくて、
良さそうに見えて中立なもの
悪そうに見えて中立なもの
中立に見えて良いもの
中立に見えて悪いもの
が抜けてる。