「韓国は半開、日本は文明開化」
100年前の韓国の世界史関連著書・訳書を見てみると…
1000年以上にわたり中国を「天下の中心」としてきた中華秩序から解放された19世紀末、韓国人は世界をどのように認識していたのか。梨花女子大学のペク・オクキョン教授(韓国史)は4月24日、同大地球史研究所(趙志衡〈チョ・ジヒョン〉所長)の学術大会で、「19世紀末-20世紀初めの韓国の世界史著書・訳書に見られる世界認識」と題する論文を発表した。この論文は、東アジアを圧倒した近代西洋に影響を受けた100年前の先祖たちの知的苦悩を浮き彫りにした。
ペク教授が分析対象とした世界史の書籍は、韓国初の世界史の著述にして教科書となった『万国略史』(1896)をはじめ、1905年から1907年にかけて出版された『万国史記』『精選万国史』『東西洋略史』『(中等)万国史』などの訳書や、張志淵(チャン・ジヨン)が1909年に書いた『万国事物起原歴史』の6種類だ。
学部で出版された『万国略史』は、韓国が中国中心の世界観を克服し、文明形成に乗り出さなければならない、という方向性を提示した。世界を「開化」「半開」「未開」「蛮夷」の4段階に分け、中国と朝鮮は開化の領域に乗り出したものの、実学を講究しないまま虚礼に求愛し、知識を開発する意思がない「半開」と規定した。反面、日本は欧米と共に農商工業が発達し、印刷・鉄道・電線など文明の利器を活用し、富国強兵に尽力する「文明開化」を遂げたと規定した。
韓国初となる世界史の教科書が日本を持ち上げているのは、この著者が野々村金五郎という日本人だったからだ。日清戦争直後の1895年、学部顧問として韓国にやって来た野々村は『万国略史』を、東アジアで日本の地位を高める手段として利用した。
1905年から1907年にかけて出版された世界史の書籍は、日本・米国・イギリス・清などの世界史の書籍を総合しつつ、著者の見解を交えたものだ。これらの書籍は、世界を東洋と西洋に区分し、弱肉強食と生存競争の現実を受け入れた。社会進化論を受容し、弱者が強者になり得る方法を模索し、愛国心を通じ国家の統合を成し遂げようとした。訳科を経て外交部署で活躍した玄采(ヒョン・チェ)の『万国史記』が、その代表だ。一方、東洋平和を打ち出し、日本を中心に中国と韓国を一体として認識しようとする姿勢も見られた。とはいえ、日本の朝鮮侵略が本格化する状況の下、東洋平和論の虚構を見通すことができなかったことには限界があったと指摘される。
張志淵の『万国事物起原歴史』は、天文・地理・人類・文事・科学など28の項目から世界史の流れを記述した。儒学の価値を認め、西洋よりは東洋を優位に置き、文明の本質では東洋が西洋よりも優れている、という評価を下した。梨花女子大学のペク教授は、「(張志淵は)日本の侵略性を警戒するよりも、儒教を中核とする東洋の伝統文化を守るため、韓・中・日3国の連合が必要だとし、この発想は日本の指導を肯定する方向にも働いた」と評価した。
金基哲(キム・ギチョル)記者
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