朝鮮学校教科書「現代朝鮮歴史 高級1」が翻訳出版!
朝鮮学校教育の実態を知ろう!
三浦小太郎(評論家)
現在無償化の是非をめぐって揺れている朝鮮学校だが、今回専門家により高校の現代史教科書第一巻が翻訳された(編集 朝鮮高校への税金投入に反対する専門家の会 発行 星へのあゆみ出版 連絡先 電話・ファックス 0729-90-2887)。その内容たるや、捏造と歪曲に満ち、そして金日成崇拝で貫かれている。ある脱北者によれば、北朝鮮での教科書内容そのままだという。
最も典型的なのは朝鮮戦争についてだ。この戦争が北朝鮮側の侵攻によって始まったことはすでに明らかになっているのに、この教科書ではアメリカと韓国の侵略とされている。「米帝のそそのかしのもと、李承晩は1950年6月23日から38度線の共和国地域に集中的な砲射撃を加え、6月25日には全面戦争へと拡大した。(中略)尊敬する金日成主席様におかれては、会議で朝鮮人をみくびり刃向かう米国のやつらに朝鮮人の根性をみせてやらなければならないとおっしゃりながら、共和国警備隊と人民軍部隊に敵の武力侵攻を阻止し即時反攻撃にうつるよう命令をおくだしになった。」(現代朝鮮歴史 高級1 朝鮮学校教科書より)
このほかにもとんでもないことが「現代朝鮮史」として教えられている。金日成は常に「敬愛する金日成主席様」と呼ばれ、ソ連軍の傀儡として北朝鮮に送り込まれたことはもちろん記されず、ソ連が満州はもちろん、朝鮮半島で行った暴行も一切記されない。それに比して日米の「犯罪行為」「虐殺」「弾圧」は徹底的に誇張され、時には捏造される。
金日成崇拝と反日、反米史観、それも事実に基づかない捏造の歴史観で貫かれた教科書だ。このような教科書で学ぶ在日コリアンの子供たちこそ被害者である。
それぞれの国に、それぞれの歴史観があることは否定しないし、各国は互いの歴史観を尊重すべきだろう。しかし、あまりの捏造や、指導者への絶対美化、他国への侮蔑語の氾濫したものを、私は教科書としては認めないし、そのような教科書を使っている学校に、日本国が公的支援を行うのは反対である。
仮にドイツ人学校が日本にあったとする。その学校が、ドイツの歴史上の偉人などの写真や肖像画を掲げるのは自由だし、ドイツ民族の誇りを教えるのも当然だ。しかし、そのような学校が、ヒトラーの肖像画を掲げ、ヒトラーは敬愛すべき指導者で、彼のユダヤ人虐殺は正しかった、などという教育をしたとしたら、そのような学校に私の税金が投入されることは私は拒否したい。この教科書は、ヒトラー同様の犯罪的な独裁者を美化していることを、ぜひ政治家も、マスコミも知ってほしい。
朝鮮学校無償化を論じる前に、最低限の知識として、実際にどのような教科書が使われ、どのような授業が行われているかを私たちは知るべきだ。そのための資料として、ぜひこの朝鮮学校現代史教科書のご一読を薦めたい。
追記 この教科書を読んでみたい方は、三浦まで住所氏名を明記の上ご連絡くだされば、郵便振替用紙を同封してお送りします。miurakotarou@hotmail.com
もしくは、上記「星へのあゆみ出版」にファックスなどでお申し込みください。
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