8日午後5時ごろ、長野県下諏訪町の諏訪大社下社で開かれている御柱祭で、柱(高さ約17メートル、周囲約3メートル)を垂直に立てる「建て御柱」の最中、柱に乗っていた氏子の男性3人が十数メートル下の地面に落下した。県警諏訪署によると、同県岡谷市の増沢徳寿(のりとし)さん(45)と同市加茂町4の平田和也さん(33)が頭などを打ち死亡。残る1人(20代)と、柱の近くにいた30代男性が軽傷を負った。同署が詳しい状況を調べている。
建て御柱は保管場所から境内へ柱を運び、複数のワイヤやロープで引くなどして垂直に立てる儀式。県警や目撃した観光客らによると、ワイヤ1本が切れて柱がぐらつき、3人は命綱を付けておらずバランスを崩して落ちたらしい。増沢さんと平田さんは柱の上部にまたがっていた。20代男性は途中でワイヤに手がかかり、しばらく滑り落ちた後に地面に落下、腹を打った。30代男性は切れたワイヤが頭に当たった。
諏訪大社の御柱祭は6年(数えで7年)に1度行われる。8日は下社「里曳(さとび)き」初日で、多くの見物客が見守る中、1本目の「春宮一」の柱を立てていた。
県内外の関連神社でも御柱祭は行われており、4月には同県千曲市の神社で、建て御柱の最中に柱が突然倒れ、氏子の男性4人が巻き込まれて会社員(38)が死亡、3人が重軽傷を負った。【武田博仁、大平明日香、小田中大】
毎日新聞 2010年5月9日 東京朝刊