フィギュア:新採点方式は「浅田ルール」?(下)

キム・ヨナの加点は削られる?

 これまでキム・ヨナは、さまざまな3回転ジャンプを完ぺきにこなし、技の出来栄え評価(GOE)で1.5~2.0点の加点を得ていた。だが、今後は3回転ジャンプのGOEの範囲が±3.0点から±2.1点に縮小される。キム・ヨナがこれまで通り3回転を決めても、加点は従来の7割程度にとどまる。一方、トリプルアクセルのGOEは+3.0~-4.2点から±3.0点に変更される。このため浅田がトリプルアクセルを成功させれば、従来と同じ加点が付き、失敗しても減点は少なくなる。

 また、今後は女子のショートプログラム(SP)からスパイラルシークエンスがなくなり、フリーでもスパイラルは振り付けの一部とみなされるため、配点が簡素化される見通しだ。スパイラルに関しては、キム・ヨナと浅田はほぼ互角だった。

バンクーバーの演技を新ルールで採点すると?

 キム・ヨナはバンクーバー五輪で、SP(78.50点)とフリー(150.06点)、合計(228.56点)のすべてにおいて世界歴代最高点をマークして優勝した。だが、新ルールで採点すると、合計点は13点低い215点前後となる。特に、ジャンプのGOEでは加点が5点近くも削られる。

 一方、銀メダルを獲得した浅田の合計(205.50点)を新ルールに当てはめてみると、199点前後でマイナスは6点ほどにとどまる。フリーのジャンプ要素だけを個別に採点すると、むしろ2点プラスになる。

 とはいえ、浅田はバンクーバー五輪でキム・ヨナに23点及ばず、新ルールで採点しても16点下回る。両選手の自己ベスト対決では、採点方式にかかわらず、結局キム・ヨナが勝者というわけだ。

 だが、キム・ヨナが現役引退となれば、浅田の独走時代が到来するかもしれない。

成鎮赫(ソン・ジンヒョク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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