区職員が便利屋に個人情報売り渡す

1件1万ウォン、700回にわたり

 ソウル地方警察庁は7日、住民登録謄本・抄本や家族関係簿といった個人情報を便利屋に売った疑いで、ソウル市蘆原区庁職員の8級公務員(57)と、同市道峰区庁職員だった元6級公務員(50)の二人に対し逮捕状を請求、京畿道安山市常緑区庁職員の8級公務員(40)を書類送検した。

 また、警察は区職員らに金を渡し、個人情報を受け取っていた疑いで、便利屋経営者(58)を逮捕、情報取引を仲介した信用情報会社の社員二人に対しても逮捕状を請求した。さらに、便利屋に他人の個人情報を調べるよう依頼した依頼人(55)ら37人については書類送検した。

 警察によると、蘆原区職員は2008年から昨年まで、1件当たり1万ウォン(約790円)で約700回わたり個人情報を盗み、ブローカーの信用情報会社社員らに渡した疑い。蘆原区職員は昨年7月、「依頼人(41)が便利屋に、元恋人の女性(42)の個人情報を欲しがっている」という話を信用情報会社社員から聞き、この女性の住民登録謄本を渡していた。

 また、道峰区庁元職員は、これとほぼ同じ時期に同様の方法で、便利屋経営者に個人情報を渡し、月に50-70万ウォン(約4万-5万5000円)、計1800万ウォン(約140万円)を受け取っていた疑い。警察では、区職員らが流出させた個人情報は約3000件に上るとしている。

 便利屋は依頼人から20-300万ウォン(約1万6000-24万円)を受け取り、携帯電話番号などの単純な個人情報を提供したのをはじめ、私生活の追跡調査や暴力請負といった犯罪行為の依頼までこなしていたことが分かっている。便利屋の中には、2年間で売り上げ約10億ウォン(約8000万円)に達した業者もいるという。

 警察は「便利屋に追跡調査を依頼し摘発された37人の中には、弁護士や医師もいた。こうした人々は元恋人の近況や配偶者の不倫を調べるよう、便利屋に依頼していた」と話している。

金時現(キム・シヒョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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