金総書記訪中:『紅楼夢』見ずに帰国(下)
日程の疑問点を検証
6日午後、北京駅には金総書記の特別列車が出発する10分前に、中国指導部が乗ったとみられる高級車3台が到着したが、わずか5分で駅を離れた。わずか5分という時間からみて、金総書記とあいさつだけして別れた可能性が高い。その後のCCTVの報道で、全国人民政治協商会議主席の賈慶林主席が北京駅で金総書記を見送ったことが確認された。
金総書記は帰国する瞬間まで予測不能の行動を続け、さまざまな憶測を呼んでいる。北京駅を出発した特別列車は、16時間半近くの時間をかけ、7日午後9時ごろ瀋陽駅に到着した。北京-瀋陽間の距離は730キロのため、平均時速50キロ以下で走行したことになる。一部では、慢性腎不全を患っている金総書記が途中で人工透析を受けたか、医療施設に立ち寄った可能性が指摘されている。また、移動途中に停車し、長時間の休憩を取ったとの見方もある。
列車から降りた金総書記は、瀋陽市内の友誼賓館でしばらく休憩した後、市内から北東に10キロの地点にある「抗美援朝烈士陵園」を参拝した。この場所は、韓国戦争(朝鮮戦争)での戦死者を追悼する施設だ。昨年温首相が訪朝した際にも、平壌郊外にある中国軍戦死者の烈士陵を訪問している。
金総書記は参拝を終えると、瀋陽駅には戻らず、乗用車でそのまま国境都市の丹東に向かった。瀋陽から丹東までは約280キロの距離だ。過去4回の訪中ではいずれも専用列車で帰国したが、今回乗用車で帰国したのは、警備目的とみられる。04年4月の帰国時には北朝鮮の平安北道竜川駅で爆発事件が起きており、その点を考慮した可能性がある。丹東の消息筋は「金総書記が乗った車は、市内のある場所に立ち寄った後、午後3時55分ごろに乗用車が先、専用列車が後を追う形で鴨緑江鉄橋(中朝友誼橋)を渡った。金総書記がどこに乗っているのか分からないようにする意図とみられる」と語った。鴨緑江鉄橋前に立つホテルの中聯大酒店、国門酒店は金総書記の訪中が始まった3日と同様、7日も午後5時まで宿泊予約を受け付けなかった。
北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員
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