金総書記訪中:北朝鮮に改革開放迫った中国(上)
5日午後に北京の人民大会堂で中国の胡錦濤国家主席と首脳会談を行った北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の表情は、それほど明るくは見えなかった。胡主席と握手し抱擁を交わす際、わずかに笑みを見せたが、すぐに硬い表情に変わった。会談中、うつむいてメモを取る姿も見られた。向かい合って座った胡主席、習近平国家副主席が終始笑みを浮かべていたのとは対照的だった。金総書記の訪中の様子を報じた中国中央テレビ(CCTV)の10分間余りの映像でも、笑みを浮かべたのは中国側関係者と握手を交わした時だけで、明るい表情は見られなかった。
中国は今回の訪中で胡主席を含む最高指導部9人全員が役割を分担し、会談、産業視察への同行、出迎えと見送りなど、金総書記を歓待した。しかし、こうした歓待ぶりの一方で、前例にない厳しい言葉で金総書記を圧迫した。
中国の国営・新華社通信が7日に報じた金正日・胡錦濤会談に関する報道は、今年で国交樹立61周年を迎える両国関係に対する胡主席の美辞麗句で始まった。しかし、それが終わると、胡主席は「5項目の提案をしたい」と切り出した。
特に、2番目の項目である「戦略的な意思疎通」を強化しようという内容が目立つ。胡主席は「両国は随時、あるいは定期的に両国の内政、外交における重大問題と国際・地域情勢、党と国家の統治経験など共通の関心事に対し、より深く意思疎通を図っていくべきだ」と指摘した。
胡主席は4年前の2006年1月に金総書記を招待し、金総書記は中国南部の経済拠点都市である広州、深セン、珠海、アモイなどを視察し、中国指導部に経済改革の意思を誇示した。しかし、そのわずか9カ月後の同年10月には最初の核実験を強行した。当時北朝鮮がわずか数十分前に核実験実施を通告したことに対し、中国指導部が激怒したとされる。昨年には2回目の核実験、貨幣改革の失敗、今年の哨戒艦「天安」事件など、北東アジア情勢を混乱に陥れかねない事件が相次ぐたびに、中国は北朝鮮の内部情報を把握する能力が韓米より劣ると評価されてきた。
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