「ゲーム機王国」任天堂の時代は終わるのか

 世界的なゲーム機大手の任天堂の業績が6年ぶりにダウンした。同社は「年齢を問わず、誰でも楽しめる気軽なゲーム」をモットーに世界のゲーム市場を掌握してきたが、最近登場したスマートフォンに顧客を奪われている。過去3-4年にわたり、任天堂に押されていたマイクロソフトとソニーが最先端のグラフィックや音響効果を駆使したゲームを投入し、消費者を誘惑していることも背景にある。

 任天堂は7日、2010年3月期決算で売上高が前期比22%減の1兆4300億円、営業利益が同36%減の3565億円にとどまったと発表した。

 任天堂の業績不振は、円高で主力製品の家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」、携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」の販売が同時に激減したためだ。Wiiは昨年9月に価格を20%引き下げたにもかかわらず、販売量が08年に比べ21%減の2053万台に落ち込んだ。ニンテンドーDSも販売量が10%以上減少した。

 Wiiはソニーの「プレイステーション2」やマイクロソフトの「Xbox」に押され、今年も販売量が10%以上減少する見通しだ。

 市場関係者は、任天堂の全盛期が過ぎたのではないかとの分析を示している。08年を頂点として業績が後退していることに加え、同社が自ら今年と来年は実績の大きな改善が見込めないとの見通しを示しているためだ。任天堂は立地回復に向け、Wiiに人間の生体リズムを認識するセンサーを搭載したり、高画質(HD)映像を支援したりする一方、3D(3次元)仕様のDSの発売も準備しているとされる。

 米市場アナリストは「来年も任天堂が市場のリーダーシップを維持する」と予測しながらも、「急激な順位変動があり得るのがゲーム業界の特徴だ」とも指摘した。

趙亨来(チョ・ヒョンレ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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