形だけの校長公募制、教育庁の思い通り(上)

 学校構成員である保護者、教師、地域関係者が校長を直接選ぶ校長公募制について、政府はこれを全面的に拡大する意向を示しているが、実際は教育庁(教育委員会に相当)がこれに干渉できるようになっていることから、「形だけの校長公募制」という批判が相次いでいる。

 政府は今年3月、全国の国公立の小中高校の校長の50%を公募制によって選抜し、ソウル地域では100%公募制を実施する、と発表した。ソウルではこれまで、年間10校余りで試験的に行われてきたが、これを大幅に拡大するというものだ。

 ソウル市教育庁は6日、小中高校75校で校長公募の準備作業に取り掛かるなど、本格的な作業をすでに開始している。しかし、推進計画をチェックした保護者らは、「制度は以前よりも後退している」と冷たい反応を示している。選抜の過程で、学校構成員の権限が小さくなっているのがその理由だ。

 昨年までは、ソウル地域で小中高校への招へい校長を選抜する際、「学校審査委員会」が第1、第2の候補を選んでいた。最終決定は教育監(教育長に相当)の権限だったが、多くの保護者が参加する審査委員会で第1の候補とされた候補者が、資格面などで大きな問題がない限り、ほぼ校長に選ばれていた。

 しかし、校長公募制度が大幅に拡大したはずの今年の推進計画では、「地域教育庁審査委員会」による2次審査が新たに設けられ、ここで第1、2の順位を決める制度に変わった。とりわけソウル地域では、「学校審査委員会」で3人の候補を順位なしで推薦することとし、保護者の権限を大幅に縮小した。別の15の教育庁は、「学校審査委員会」で3人の候補者を推薦する際、順位を決めることになっている。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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