駐車代行サービスを装い、高級外車を盗み密輸

窃盗団メンバー9人を逮捕

 昨年5月16日、ソウル市江南区新沙洞の喫茶店の前に、Sさん(35)が愛車のポルシェ911を止めたところ、複数の男が近付き、「車を駐車場に止めてあげる」と持ちかけた。この地区にある多くの店では、2000-3000ウォン(約160-240円)の手数料を取り、ドライバーに代わって車を駐車場に止めているため、Sさんは疑うことなく、2億2000万ウォン(約1750万円)もする車のキーを預けた。だが、男らは喫茶店の従業員ではなく、「外車専門の窃盗団」だった。Sさんの車を運転し、近くのマンションの地下駐車場に止めた後、ナンバープレートをはがし、日本へ密輸していた。

 ソウル瑞草警察署は6日、Y容疑者(41)ら9人を逮捕するとともに、日本へ逃亡したO容疑者(46)を指名手配した、と発表した。Y容疑者らは、2008年8月から昨年5月にかけ、ソウル・江南地区一帯で「車を駐車場に止める」とだまし、ポルシェやベンツ、BMWなどの外車13台(時価33億ウォン〈約2億6200万円〉相当)を盗み、海外へ密輸していた疑いが持たれている。警察によると、密輸された車のうち5台は回収したものの、残る8台は行方が分からないという。

 Y容疑者らは、責任者(資金を調達)と募集班、行動班、窃盗班、運搬班、密輸班などに分かれ、車を盗んだ後、監視カメラが付いていない地下駐車場でナンバープレートを外すなど、手の込んだ方法で車を密輸していたという。盗んだ車は京畿道坡州市の倉庫へ持ち込み、製造から20年以上たった、中古の外車として税関に届け出て、仁川港から日本や香港などへ密輸していたことが分かった。Y容疑者らはまた、レンタカー業者から高級車などを借り、虚偽の盗難届を出した上で、GPS(衛星測位システム)の装置を取り外し、同じく海外へ密輸していた、と警察は発表した。

キム・シヒョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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