金総書記訪中:中国外務省、間接的に認める(下)

 これに一部の専門家も加勢している。清華大国際問題研究所の劉江永教授は「『天安』事件について、韓国政府は客観的かつ科学的な調査結果を示すと述べている。まだ結果が出ていない状況では、事件は金総書記の訪中に影響を与えない」と指摘した。また、中国人民大国際関係学院の金燦栄副院長も、「金総書記の訪中を事前に韓国に知らせなかった」という批判について、「金総書記の訪中は中朝間の問題だ。韓国が中国を恨むことはできない」と語った。

 このほか、「天安」事件は韓国と北朝鮮の間で起きた出来事であり、6カ国協議に影響は生じないとの見方も示された。中国外務省傘下の国際問題研究所の晋林波研究員は、「『天安』の事件で南北関係にいかなる困難が生じたとしても、中朝両国の首脳交流は別扱いされるべきだ。この事件の解決が6カ国協議再開の前提条件になることもない」と分析した。

 中国は金総書記の今回の訪中でもこれまで同様に「北朝鮮との特殊な関係」を挙げたが、微妙な変化も感じ取れる。

 中国は今回の訪中について、国内メディアの報道を厳しく規制することはなかった。主要メディアは依然として沈黙しているが、外電を引用する形で一部メディアが既に報じている。英字紙チャイナ・デーリーは4日付紙面で、外信を転電する形で、金総書記の訪中を伝えた。中国の大手ポータルサイト、百度(バイドゥ)でも韓国や香港のメディアによる関連報道がまったく検閲を受けていない。経済ニュースサイトの「第一金融網」は「北朝鮮最高指導者の秘密訪中」という特集まで設け、外信が報じた金総書記の写真、記事を伝えた。

 ある北朝鮮問題専門家は「金総書記の訪中をめぐり、韓中両国の見方に大きな差があるのは事実だ。既に両国がそれぞれの言い分を表明した以上、不必要なほど対立が拡大しないようにすることが重要だ」と訴えた。

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

【ニュース特集】金総書記4年ぶり訪中

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る