金総書記訪中:最終日まで予想破りの日程(下)

 こうした日程をめぐっては、北朝鮮を長期間留守にしても、国内の状況を掌握しているという印象を与えるため、意識的に活発な日程をこなしたと受け止められている。

 中朝間の強固な関係を確認したことは、貨幣改革後の経済難や「天安」沈没事件で国際的に厳しい立場に置かれている金総書記には有利に働きそうだ。中国はこうした論争の中でも、最高指導部(共産党政治局常務委員)が外遊を取りやめ、最高レベルの礼遇で金総書記を迎えた。日本メディアの報道によれば、同日午前の生命科学院視察には、中国の次期指導者と目される習近平国家副主席が同行したとされる。

 北京の外交筋は「金総書記が訪中を無事に終えて帰国したというだけで、狙っていたものはすべて得られた」と分析した。

 金総書記はこのほか、経済分野で少なからぬ成果を挙げたとみられている。北京の外交関係者の間では、中国が今回の訪中で、北朝鮮に食糧10万トンをはじめ、生活必需品、エネルギーを含む1億ドル(約91億円)近い無償支援を提供したと推定している。10万トンは昨年北朝鮮が中国から輸入した食糧29万トンの3分の1を超える量だ。専門家は北朝鮮国内の食糧事情の急場しのぎには十分な量に当たると分析している。

 中国政府の公式発表を待つ必要があるが、金総書記は今回の訪中で6カ国協議に復帰する意向を表明したとみられる。「天安」事件の調査結果発表が先決で、6カ国協議再開問題はその次の問題だとする韓米の立場に対抗するためには、6カ国協議の早期再開を目指す中国と共同戦線を張る必要があったからだ。

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

【ニュース特集】金総書記4年ぶり訪中

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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