【社説】中国は金総書記訪中結果を世界に説明せよ
北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が5日午後、中国の胡錦濤国家主席と北京市内の人民大会堂で4時間30分にわたり会談を行い、直後の公式夕食会でも同席していたことが確実視されている。6日午後には金総書記が帰国の途に就いたと報じられた。しかし中国外交部は、金総書記の姿が西側のマスコミで報じられてから四日目に当たる6日になっても、「金総書記が中国を訪問したという情報はない」としている。そのため、胡主席と金総書記との会談に誰が同席し、二人はどのような議題で何の話をしたのかも分かっていない。過去にも中国は、金総書記が訪中スケジュールを完全に終え、帰国した後になって、新華社通信で報じていた。
今回の金総書記訪中は、これまでになく国際的に大きな関心を集めている。哨戒艦「天安」沈没の真相究明と6カ国協議開催の問題が複雑にからみ合っているからだ。米国務省のクローリー国務次官補は5日、「金総書記が中国に滞在している事実については知っている」とした上で、「天安に関する調査が終了したら、その調査結果から(6カ国協議が)どのような影響を受けるか、結論を出したい」と述べた。6カ国協議のソン・キム米国首席代表も「天安問題が完全に明らかになるまでは、6カ国協議が再開されることはない」と発言した。韓国政府の立場もこれとまったく同じだ。
韓米両国が「先に天安の真相解明、後に6カ国協議」という立場で一致したのは、天安の沈没が北朝鮮の犯行であることが明らかになれば、その時には「国際社会が共同で北朝鮮に対して断固たる措置を取るべき」との判断に伴うものだ。金総書記はここ1年5カ月にわたり、6カ国協議にはまったくの関心を示さなかったが、天安沈没の影響が自らに及びそうになってくると、これまで付かず離れずの関係にあった中国への訪問を断行し、6カ国協議参加問題を前面に出してきた。中国がこれに同調すれば、6カ国協議は北朝鮮の核問題解決という本来の目的が忘れ去られ、北朝鮮による天安撃沈という犯行をあいまいにするために利用されかねない。
韓国、米国、中国、日本、ロシアなどが協力し、北朝鮮に対して核開発の放棄を説得し、圧力を加えている中、中国が北朝鮮に対して大規模な支援に乗り出せば、6カ国協議での国際協力の雰囲気も崩れる可能性がある。中国は韓米日ロなどに対し、金総書記訪中の結果について詳しく説明すべきだ。またこの問題に対する疑惑や疑問についても率直に意見を表明しなければならない。それが北朝鮮の核問題解決に共に当たってきた4カ国に対する礼儀であり、中国の国際的地位向上にもプラスに作用するだろう。
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