日興コーディアル 粉飾疑惑進展あるのか?

2006/9/29 11:41

   日興コーディアルグループが2005年3月期決算で、孫会社の特定目的会社(SPC)とSPCが買収したコールセンター会社「ベルシステム24」を連結決算とせず、不透明な会計処理を行っていたと、05年末に一部で報道された。その問題が、安倍政権の発足とともに動き出すのか、関係者の関心を集めている。

   大手月刊誌が「粉飾の疑いが濃い」などと報道し、06年3月には国会でも取り上げられたが、今もって白黒がはっきりせず、決着がついていないからだ。報道で指摘された会計処理が違法なのか適法なのかの判断は、最終的に金融庁が行うことになる。担当大臣はどう判断するのか、秋の臨時国会で改めて政治問題となるのかなど、関係者は気をもんでいる。

焦点は、連結対象とすべきか否かの解釈

「ベルシステム24」は連結対象にすべきだった?
「ベルシステム24」は連結対象にすべきだった?

   日興コーディアル証券を中核とする同グループの粉飾決算疑惑を報じたのは、大手月刊誌のほか、日刊紙では05年12月31日付の東京新聞だった。同紙によると、SPCなどの連結はずしで、同グループがベル24の買収で負担すべき「のれん代」(営業権)など1,440億円が開示されず、05年3月期決算に計上されるべき147億円の記載がなかったとされる。

   この連結はずし問題は、06年3月16日の参院財政金融委員会で、民主党峰崎直樹氏が取り上げた。当時の与謝野金融担当相は「問題があれば厳正に対処したい」と答弁、同グループの決算を改めて調査する考えを表明した。

     問題の焦点は、企業買収に用いたSPCと買収先の企業(ベル24)を連結対象とすべきか否かの解釈。国会答弁で与謝野金融担当相は「ベンチャーキャピタル(VC)が投資育成目的で株式を所有している場合は連結対象にならない」との考えを示した。だが、峰崎氏は「VCは未公開会社に投資し株式公開させて利益を得るものを指す」と指摘し、ベル24が東証一部上場企業だったため、SPCとともに連結対象にすべきだと主張した。

(続く)

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