高木マニア堂
何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。
151:また観たいぞ!「幽霊城のドボチョン一家」
<2008年7月=東スポ携帯サイトより>
以前紹介した、和製外国テレビ主題歌で、もっともCD化が熱望されていた作品が「幽霊城のドボチョン一家」(1970年~、NET=現・テレビ朝日系)である。
このドボチョン一家。30代後半以上の方ならば「ああ、あのくだらんアニメか!」と思い出すことだろう。だが、よく似たタイトルの「ドボチョン一家の幽霊旅行」(1972年~、NET系)と混同している人も多い。CSなど
で再放送されるのは「~の幽霊旅行」ばかりだ。
何よりも混乱に拍車をかけているのが両番組の主題歌だ。何しろメロディ(作曲は橋場清)が全く一緒なのだ。歌詞こそ「幽霊城の~」が「♪ドボチョンドロドロ ドボチョンドロドロ出てこいよ~」で、「~の幽霊旅行」が
「♪ドボチョン伯爵 ボヨヨンヨロヨロ 出てきたよ」と、やや違いがあるものの、歌も含めて、これでは混同してしまうのも致し方ない。
ちなみに「幽霊城の~」は、よく似た感じの「アダムスファミリー」や「モンスターズ」のアニメ版とも思われがちだが、それも違うぞ!
この“両ドボチョン”は、NETでの初放送こそ1年半のラグがあったが、その後、東京12チャンネル(現・テレビ東京)系で延々と再放送が繰り返されたため、シリーズ作だと思っている人も多い。子どもたちに人気があったのは圧倒的に「幽霊城~」の方なのだが現在、正規に視聴できるのは、あまり面白くはない「~幽霊旅行」のみ(YouTubeで最近ようやく「幽霊城の~」も視聴可能に!)
なぜか? 邦題こそ酷似しているが、両ドボチョンは別会社の製作。つまりまったくの無関係なのだ。「幽霊城の~」はフィルメーション、「~の幽霊旅行」はハンナ・バーベラ作品だ。たまたま“お化けつながり”ってこと
で「ドボチョン」と命名されただけ。フィルメーションとの権利関係の問題で「幽霊城の~」の日本国内での再放送やDVD化が困難となっているのだそうだ。
ストーリーはあるようでない。毎回、幽霊城を舞台にドタバタコントが繰り広げられ、後半の「音楽の時間」に雪崩れ込んで終わる。ただそれだけだ。だけど面白い。
何と言っても声優陣が魅力だ。主人公のドラキュラがコテコテの名古屋弁
(実際の名古屋人があのようにしゃべるのか?は不明)の南“ハヤシもあるでよ~”利明。そして人食いライオン(原語版ではウルフィーと狼男風だが)が、これまたコテコテの東北訛りの由利徹。そして、ちょっとお人よしでマヌケな怪物(原語版では「フランキー」と明らかにフランケンシュタイン風)がウクレレ漫談の牧伸二という超異色のキャストなのだ。
八波むと志を加えた脱線トリオで人気を博し、「カックン・ルンバ」をもヒットさせた由利と南はともかく、それに牧伸二まで加わったトリオは、ここでしか見られない(聞けない?)異色の組み合わせだ。
主題歌の後に「幽霊城のドボチョン一家、ドヒャドヒャバッキ~ン」というナレーションが入り、コウモリ姿で幽霊城へと帰還したドラキュラが城壁に激突して「ドボチョ~ン」と落下するのがお約束。人食いライオンは城内をスポーツカーでブッ飛ばし「ドボチョ~ン、チッチ」と絶叫。怪物はいつも被害者だ…。後半はドラキュラ=ピアノ、人食いライオン=ベース、怪物=“骨琴”といったバンドで、グループサウンズ風の歌を披露して終わる。
米国版のDVDは、割と簡単に入手できるが、日本人にとっては、やはり南利明、由利徹、牧伸二のトリオでなければ意味がない。関東圏での再放送は1982年にテレビ東京でされたのが最後(しかも主題歌はカットされていた…)となった。
日本笑芸人史を語る上でも貴重な番組。どこかで再放送、もしくはDVD化して欲しいものだ。
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