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【ドラニュース】


谷繁、外角速球狙い撃ち

2010年5月8日 紙面から

中日−ヤクルト 9回裏2死満塁、右前にサヨナラ打を放ちガッツポーズする谷繁=ナゴヤドームで(谷沢昇司撮影)

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◆中日2−1ヤクルト

 勝負のアヤはくっきり見えていた。勝負師・谷繁の狙いは一本。「アウトコースに目付けをして、ストライクだったらいこうと思っていた」。9回裏2死満塁。狙い通りだ。2球目の外角速球。打った直後にガッツポーズ。右前に運んだ。

 「逆で考えたら、その前の打者を死球で出してるので、次を(死球で)出したらそれで終わり。だからほぼインコースはないだろうな、と」

 相手の立場なら内角は要求できない。球史に残る実績を積む名捕手。経験と嗅(きゅう)覚がはじき出した答えに間違いはなかった。

 打席はクール。サヨナラ劇には少年のようにはしゃぐ。自身通算11度目のサヨナラ打に「うれしいです」と、満面の笑み。ただ、こわもての谷繁とあってナインの手荒な祝福はおとなしめ。「ベン(和田)とゴジ(小池)くらい。若いのは遠慮してるでしょ」。今後は“無礼講”を「いいよ」と、許可したものの、若手には難しいだろう。

 「その場その場での最善の努力をして打席に立っている。先頭打者なら塁に出たいと思うし、2死なら塁に出て9番に回せば、次の回は1番から始まる。走者がいれば何とか走者をかえしたいと思ってやってる。常にそういうことを思ってやっている」

 5回は先頭で二塁打。先制のホームも踏んでいる。そして守っては中田賢を好リード。終始ゲームの軸は谷繁だった。「今日は1−0で勝たなきゃいけない試合だった気もするし、でもこれが野球という気もするし。何とか次に期待したいです」。戻ってきた中田賢には次こそ勝たせたい。

 「今ローテーションで回っている投手には、開幕のときにいなかった投手たちがいる。ファームで、キャンプ中やオープン戦の間もずっと悔しい思いをしてきた連中が、必死で投げている。そういう状態。いいんじゃないですかね」

 投手陣たちの熱い思いを受け止め、マウンドで引き出す。そしてまとめるのが谷繁だ。 (生駒泰大)

 

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