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名城、挑発スベった…“完敗”に苦笑い

 もらったプレゼントを手に笑顔の王者・名城(左)と挑戦者カサレス(右から2人目)。中央は六島ジム・枝川会長=大阪市内のホテル
 もらったプレゼントを手に笑顔の王者・名城(左)と挑戦者カサレス(右から2人目)。中央は六島ジム・枝川会長=大阪市内のホテル

 「WBA世界Sフライ級タイトルマッチ」(8日、大阪府立体育会館)

 予備検診と調印式が6日、大阪市内のホテルで行われ、王者・名城信男(六島)と挑戦者ウーゴ・カサレス(メキシコ)が、プレゼントを交換しあう異例の展開となった。昨年9月のV2戦前は“一触即発”のピリピリムードだったが、再戦となる今回は一転して友好ムードを漂わせた。ただ王者・名城側は“挑発”の意味を込めていただけに、思わぬ肩透かしに苦笑いだった。

  ◇  ◇

 満を持して用意した“挑発”が、思わぬ“カウンター”を食らった。調印式終了後、六島ジムの枝川会長が「ヘイ、カサレス。プレゼント」と呼び止め、『名城フィギュア』を押しつけた。フィギュアはかなりリアルに作られており、顔は超こわもて。名城の関係者ですら「これはいらん。怖いわ」と拒絶するほどの逸品だ。プレゼントは“嫌がらせ”以外の何物でもなかったのだが…。

 受け取ったカサレスは目を丸くしながらも「サンキュー」と声を弾ませ、「とてもきれいなお土産をもらって感謝します」と満面の笑み。そしてお返しに「プレゼントするためにメキシコから持ってきた」というソンブレロ(中南米のつばの広い帽子)のミニチュアを名城に手渡した。挑戦者から“本物”のプレゼントをもらった王者は、「ビックリしました。うれしいっちゃ、うれしいけど…」とばつが悪そうな表情を浮かべた。

 記者会見でも空回りした。名城が「KOで決着つける」と宣言しても、カサレスは「KOでも判定でも勝てればいい。いい結果が残せるように努力したい」と控えめな発言に終始した。挑戦者は前戦の会見でビッグマウスを連発していただけに、「拍子抜けしました。前回とは打って変わって紳士でしたね」と苦笑いし、「こっちの性格まで研究してきたんちゃうかな。やりにくいですわ」と肩を落とした。

 さらにカサレスは「きょうはプレゼントを交換したけど、試合ではパンチを交換したい」と、しっかりオチまでつけてみせた。これには名城も「うまいこと言いますねぇ…」と、ただただ脱帽するしかない。前哨戦は挑戦者が“正攻法”で、王者をたたきのめした。

(2010年5月9日)
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