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はびこるワイロ・脱税、ギリシャ財政再建に障害

5月9日1時21分配信 読売新聞

 【アテネ=松浦一樹】欧州単一通貨ユーロ圏16か国の首脳会議は7日、ギリシャに対する1100億ユーロ(約13兆円)の協調融資を承認したが、政官の癒着、富裕層の税逃れ、ヤミ市場がはびこるギリシャで、財政立て直しは容易でない。

 「この国で、高級車や豪華クルーザーを乗り回す富裕層による所得の過少申告は当たり前」とアテネの自動車部品販売業者(63)は話す。高給取りの医師が税務署にワイロを渡し、所得を免税範囲の「1万ユーロ(約116万円)以下」と申告していた例を身近で知っているという。

 アテネ郊外の高級住宅地で、プールがあると申告した世帯は3百数十軒に過ぎなかったが、税務署が上空から調べたところ、プール付きの家は1万7000軒に上った実態も報じられている。

 こうして脱税される総額は年間230億ユーロ(約2兆7000億円)に達するとされ、財政悪化の一大要因とされている。

 財政悪化は、寡頭支配の産物でもある。ギリシャでは戦後、軍事独裁下の一時期を除き、パパンドレウ家とカラマンリス家の2大政治ファミリーが交互に政権を握ってきた。両家は権力強化のため官との癒着を深め、役人の給与の大盤振る舞いに応じた。金融支援の条件として、公務員給与が凍結されたが、それでも民間の3倍の給与とされる公務員の人件費は、財政の圧迫材料だ。6日の国会審議で、パパンドレウ現首相は「前政権時の観光相は、大臣室のカーテン代として2万9000ユーロ(約340万円)を計上した」と告発したが、政治家の放漫な財政感覚を示す例で、すぐに改まる保証はない。

 ヤミ市場の横行も問題の一つ。移民が多いアテネ中心部は、密輸入たばこが市価の3分の1でしかない1箱1ユーロ(約116円)で売られ、買い求める観光客が多い。政府は、たばこ税の増税を財政再建策の一つとしているが、「ヤミたばこ」からの税収は期待できない。

最終更新:5月9日1時21分

読売新聞

 

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