2010-05-06
■口蹄疫 韓国と中国の情報について 追記あり

口蹄疫について、次のようなデマをネット上で見かけました。
これらについては明らかに事実誤認です。以下に事実関係をまとめます。
韓国産の豚肉輸入について
動物検疫所の過去のトピックスのページでこれまでの経緯は確認することができる。
そこから読みとれるのは、韓国産の加熱処理豚肉等について輸入再開に向けた取り組みが行われていたことは事実。しかし、韓国での口蹄疫発生を受けてそれらの作業はストップしたということ。
時系列を追っていく
2009年7月
韓国から日本向けに輸出される加熱処理豚肉等の加熱処理施設が指定され、輸出検査証明書様式が定められました。
ここで、加熱処理施設と韓国側が輸出する際の証明書の書式が決まる。
2009年8月
韓国から日本向けに輸出される豚肉等の家畜衛生条件が締結されました
2010年1月
韓国から日本向けに輸出される豚肉等の輸入手続きを保留しました。(口蹄疫発生の疑い)
経緯
本日7日、在京韓国大使館より、韓国(抱川(ポチョン):ソウル近郊)において口蹄疫の疑いがある乳牛が確認された旨報告がありました。
対応
1.これを受けて農林水産省は、本病の我が国への侵入防止に万全を期すため、韓国からの豚肉等の輸入を本日付けで一時保留するとともに、当該発生について、韓国政府へ詳細な情報提供を求めました。
2.また、動物検疫所において、韓国からの旅客に対する靴底消毒等適切な検疫措置を徹底するとともに、本日、都道府県及び国内関係者に対し、防疫対策を徹底するよう改めて通知しました。
追記
この時点で、済州島からの生鮮豚肉の輸入は認められていた模様です。また、上記リンク先には「韓国本土からの加熱豚肉・稲わらのみ輸入が認められていました」との記載があります。農水省の報道発表では家きん肉については輸入の停止・再開の都度発表が行われていますが、豚肉については再開したという明確な情報はありませんでした。そのため、再開協議中に保留になったと判断しました。仮に昨年9月から今年1月の時点で輸入が再開されていたとしても、この時点で検出されたウィルスはA型であり、以降の輸入は行われていないことから、韓国産の豚肉の輸入再開が今回の口蹄疫発生の原因ではないということ自体は変わらないと考えます。
追記終わり
韓国から日本向けに輸出される穀物のわら(稲わら等)及び飼料用の乾草は、輸入手続きが保留となります(口蹄疫発生の疑い)
韓国から輸入される穀物のわら
韓国において口蹄疫発生確認されたことから、平成22年1月18日付けで家畜伝染病予防法施行規則の一部が改正され、韓国からの穀物のわら(稲わら等)及び飼料用の乾草は輸入が禁止されました。
韓国から日本向けに輸出される偶蹄類の動物及びそれらの動物由来の肉等並びに穀物のわら(稲わら等)及び飼料用の乾草の輸入が停止されました。
2010年2月
韓国から日本向けに輸出される加熱処理豚肉等の家畜衛生条件が締結されました
(注意:ただし、指定加熱処理施設の認定手続きが完了するまでは輸入はできません)
輸入条件は締結されているが、輸入は行われていない。
その後、4月に入ってO型の口蹄疫が発生し、現在にいたっている。
中国産のわら・乾草について
動物検疫所の「わら 、飼料用の乾草の輸入検査手続」のページには次のような記述があります。
悪性の家畜伝染病の発生地域からの穀物のわら ・飼料用の乾草は原則輸入禁止です。
ただし、条件を満たしたもので、輸出国政府機関が発行した証明書を添付してある穀物のわら・飼料用の乾草は輸入が可能です。
はっきりと、原則輸入禁止であり、輸入には条件を満たす必要があるということが明記されています。次に、その条件ですが同じページ内に次の文書へのリンクがあります。
4.わら及び乾草は、湿熱80度以上で10分以上加熱処理されていること。
つまり、未殺菌のわら・乾草は輸入するすべがありません。
というわけで、冒頭の話はデマであるということが確認できる。
なお、国内の対策状況については昨日のエントリにまとめている。また、id:kenogoさんの一連のエントリは非常に丁寧にまとめてある。
また、当然のことながら農林水産省をはじめとする行政の情報も確認のこと。
農林水産省からの情報
宮崎県からの情報
*1:追記 輸入停止の理由は口蹄疫ではなく豚コレラだった模様 参考>http://twitter.com/hideoharada/status/13489784095
- 191 http://b.hatena.ne.jp/
- 153 http://b.hatena.ne.jp/entry/hamusoku.com/archives/3125643.html
- 124 http://pipes.yahoo.com/pipes/pipe.info?_id=faa858a20082ef6d25ad27557e37e011
- 123 http://www.hatena.ne.jp/
- 107 http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/ohira-y/20100506/1273118670
- 93 http://b.hatena.ne.jp/hotentry/life
- 84 http://twitter.com/
- 81 http://b.hatena.ne.jp/hotentry?mode=general
- 72 http://www.google.co.jp/search?q=口蹄疫&hl=ja&lr=&tbo=p&tbs=blg:1&start=20&sa=N
- 64 http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4GGLL_jaJP302JP302&q=口蹄疫 防疫措置
- 2010-05-03 いつも(未定稿)(。・ω・)ゝ 7/85 8%
- 2010-05-05 楽仙堂OOIDOYA通信 4/48 8%
- 2010-05-06 脳無しの呟き《土鍋と麦酒と炬燵猫》 4/45 8%
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm8939398
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm8939737
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm8940063
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm8940194
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm8940284
誰か拡散を頼む。
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/100107_1.html
>口蹄疫の国内での流行に先立ち、韓国産の豚肉(口蹄疫の発生により禁輸だった)の輸入が解禁された
ここでいう「流行に先立ち」とは具体的にいつの時期を指しているのでしょうか?
1.韓国が3/23に出した終息宣言から現在の再度の流行(http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1270876473/)までの期間というよりは、テキストの時系列と文脈を見る限り、2.2000年の口蹄疫以降現在に至るまで韓国からの加熱処理豚肉の輸入が再開された事実は無かったと読み取る方が自然に思えますが、そういう記述内容であると認識してよいでしょうか?
そこで、2.の期間における話である事を前提として質問します。1.の認識であればご容赦願いたく。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2009/09/20/0400000000AJP20090920000500882.HTML
http://www.mindan.org/shinbun/news_bk_view.php?page=1&subpage=2281&corner=4
これらのニュースによると、去年9月か10月頃船積みされたとありますが、これらの豚肉が日本に輸入された事実はないと言う事になります。
動物検疫所の過去のトピックスのページからは書類上の許可と禁止についての情報以上の物はないように思いますが、
『口蹄疫の国内での流行に先立ち、韓国産の豚肉(口蹄疫の発生により禁輸だった)の輸入が解禁された』という意味でデマであるという事を証明するに当たっては、許可後、実際の輸入が行われなかった(つまり『輸入再開に向けた取り組みが行われていた』状態でペンディングだった)事へのソース提示が必要ではないでしょうか?
無論無かったよ証明は困難なのは分かりますが、少なくとも上のニュース自体が事実に反さない限り輸入は滞りなく行われて、『韓国からの豚肉等の輸入を本日付けで一時保留するとともに』の2010年1月7日までの期間は輸入が行われていたものと考える方が自然に思えます。それでも、去年の9月末から今年冒頭までの期間においても輸入は無かったとお考えでしょうか?
ご指摘ありがとうございます。後で修正します。
>ruletheworld様
時期については、ネット上の噂は民主政権誕生後に解禁となっていたので、昨年9月以降の認識です。
また、ご紹介いただいたニュースについては確認しました。断言はしかねるのですが、
家きん肉については輸入停止・再開時にかならず発表がありますが、豚肉については再開を明言する発表がなかったため、輸入再開に向けた取り組みが行われている途中であったと判断しました。
仮に、昨年9月から今年1月までの間に輸入が行われていたとしても、1月の時点で確認されたウィルスはA型であり、以降は輸入されていない訳です。よって、民主党政権誕生後に輸入が解禁された韓国産の豚肉が原因というのはデマということにはかわりはないと考えます。
なお、このエントリを書くにあたって農水省への問い合わせなどは行っておりません。
これだと韓国豚の輸入自体をデマと呼ぶ事がデマになってしまいかねないので。
2010.4.23 農林水産省は23日、最初に見つかった牛から、韓国で今月発生した口蹄疫と同じタイプのO型ウイルスが確認されたと明らかにした
て報道もあるので、韓国ルートが無い、とは言い切れない感じですね
でもどっちかってと韓国と同じルートを使って別の所から来た、てのもありそうな感じではあります
蜘蛛って湿熱80度以上で10分以上加熱しても大丈夫なんでしょうかね?
輸入された可能性があること、1月の韓国での発生時はA型であったことを本文中に追記しました。ご指摘ありがとうございました。
any-key 様
O型は各地で流行っているようなので、それぞれの流行地からのルートというのは当然考えられます。ただ、前回の発生時にも特定にはいたらなかったようなので、今回ルートが特定できるとは限りません。
蜘蛛は嫌い様
蜘蛛も湿熱80度以上で10分以上加熱では死ぬはずです。稲わらを扱っている方が、どのような環境におられるかは分かりませんが、殺菌済みの稲わらの中に潜んでいる蜘蛛にかまれる訳ではないと推察します。(開封後に入り込むという可能性はあります)
輸入停止の理由は口蹄疫も含まれます。
韓国では2000年から2年に渡り口蹄疫が大流行しました。
口蹄疫:8年ぶりに韓国で発生、韓国産豚肉、口蹄疫の疑いで輸入停止-農水省
http://www.zaikei.co.jp/article/biznews/100108/42629.html
韓国の農林水産食品部は京畿道抱川市(キョンギド・ポチョンシ)の農家で乳牛185頭のうち11頭が舌に水疱ができるなど口蹄疫の症状を発生し、うち6頭が口蹄疫に感染していることを確認した。韓国の中央日報が報じた。2002年6月以来。
ttp://www.mindan.org/shinbun/news_bk_view.php?page=1&subpage=2281&corner=4
韓国では2000年に口蹄疫が発生して以来、日本に対する豚肉の輸出が中断していた。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2009/09/20/0200000000AJP20090920000500882.HTML
2000年に口蹄疫(こうていえき)や豚インフルエンザなどの発生で中断された対日豚肉輸出を今月末から9年ぶりに再開すると明らかにした。
『O型の発生は日本では3月、韓国では4月という理由から、韓国からのルートは無い』という人も居ますが、以下のような前例があるので、韓国ルートが一番怪しいと思っています。
口蹄疫:終息宣言から16日で再び発生
http://www.chosunonline.com/news/20100410000044
口蹄疫発生農場の乳牛、密かに全国に販売
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2010011178518