国連は、世界中の5歳から17歳までの子どものうち、7人に1人にあたるおよそ2億1500万人が、危険だったり、健康を損なったりするおそれがある児童労働に従事しているという新たな報告書を発表しました。
これは、国連のILO=国際労働機関が7日、ジュネーブで記者会見をして発表したものです。それによりますと、長時間の過酷な農作業や鉱山や建設現場での作業など、危険だったり、健康を損なったりするおそれがある児童労働に従事している5歳から17歳までの子どもは、2億1500万人に上り、世界の子どものおよそ7人に1人にあたるとしています。このうち、とりわけ危険な作業や少年兵となって戦うこと、それに売春を強要されたり、人身売買の被害にあっている子どもは、1億1500万人に上っているということです。児童労働は、全体としては減ってきているものの、前回2004年の調査と比べて3パーセントの減少にとどまっているばかりか、アフリカではむしろ増えており、4人に1人が児童労働に従事しているという事態となっています。ILOは「最近の経済危機の影響で、児童労働を減らすための取り組みが後退しかねないと懸念している」として、国際社会にこの問題への関心を高めるよう呼びかけています。