鳩山首相と徳之島の3町長らの会談の要旨は次の通り。
首相 大変な混乱、ご迷惑をおかけしたことをおわびしたい。普天間の危険性を除去しなければならない。普天間の機能の一部を引き受けていただければ大変ありがたい。容易ではないという思いは理解している。
鹿児島県知事 県の基本的な考え方は徳之島の3町長とほぼ同じ。反対の立場というのをまず申し上げさせていただきたい。
天城町長 島民の民意を尊重し、断固反対だ。
伊仙町長 この島々は苦難の道を歩んできた。基地問題が出た時、島民の多くはその歴史を思い出した。私たちは絶対に反対である。絶対に基地はつくらせないという、固い決意はいかなることがあろうとも変わることはない。
徳之島町長 地域が非常に不安にかられている状況にあることを理解いただきたい。
首相 子供のころから奄美大島、徳之島にはあこがれていた。そのような島にお願いをすることの非情さ、誠に申し訳ない。ただ、北東アジアの不安な情勢が続いているのも事実で、日米安保、日米同盟の重要性を認識をしていかなければいけない。沖縄あるいは周辺地域に普天間の移設先あるいは機能を求めなければならないという現実の姿がある。一部の部隊が無理であれば、訓練だけでも受け入れてほしい。部隊であれば1000人以下だ。
町長側 どんな機能であれ、どんな訓練であれ、受け入れることはできない。
首相 2万5800という民意の重さについて気持ちを大切にしたい。徳之島は絶対反対という立場であるが、考え直してみるか、という方向になるように今後努力していきたい。徳之島の方々に対し、理解ができる範囲内で協力できないか、これからも意見交換していきたい。政府案がまとまった段階で説明したい。
毎日新聞 2010年5月8日 東京朝刊