DOSコマンドの使用法
Windowsパソコンのメンテナンスに必要な、代表的なMS-DOSコマンドの使用法を解説します。 より詳細な使用方法についてはヘルプや市販の文献を参照してください。(このページは予告なく変更されます。) ご要望はこちらまで
DOSでは、フォルダをディレクトリと呼ぶ。初心者がDOSコマンドを使用する際に最も注意しなければならいのはパスの指定である。パスには、絶対パスと相対パスがある。カレントフォルダ(C:\WINDOWS とする)からTempフォルダ(C:\Windows\Temp)のファイル(File1.txt)をA:\に移動する場合の例を紹介する。
A.絶対パスによる指定: C:\WINDOWS>MOVE C:\Windows\Temp\File1.txt A:\
B.相対パスによる指定: C:\WINDOWS>MOVE Temp\File1.txt A:
= C:\>MOVE Windows\Temp\File1.txt A:
= C:\WINDOWS\TEMP>MOVE File1.txt A:
= A:\>MOVE C:\Windows\Temp\File1.txt A:
常に絶対パス(フルパス)で指定すれば、間違いないが、相対パスで指定する場合はA:とC:の各々のカレントフォルダがどこなのかを理解してそれに応じた指定を行う必要がある。上記の例では、相対パスを使用する場合はカレントフォルダがどこかによって様々な指定方法が考えられる。
また、コマンドによってはワイルドカード(?、*)が利用できるので、効率よく使えばエクスプローラより速く処理できる場合もある。
カレントフォルダの変更は”C:\>CD TEMP”(1つ下のTEMPに変更)、”C:\WINDOWS>CD \”(ルートに変更)、”C:\WINDOWS>CD
..”(1つ上に変更)、”C:\WINDOWS\TEMP>CD ...”(2つ上に変更)のように指定する。
○最新の Windows での注意
Windows の種類により、DOSの機能が制限されているので、コマンドヘルプ(/?)で確認の上、使用してください。コマンドが有効でも無効なエラーメッセージが表示される、などの異常が発生することもある。
Windows Meでは、起動ファイル(Autoexec.bat)や構成ファイル(Config.sys)を読み込まないため、これらのファイルに記述された構文は無視される。
1.Autoexec.bat
コンピュータが起動すると自動的に実行されるコマンドが記述されたバッチファイル。通常、このファイルに記述されたコマンドは PATH
環境変数を設定し、DOS プロンプトの外観を決定し、TSR(Terminate-and-Stay-Resident:DOS常駐プログラムをメモリに読み込む処理)を開始し、コンピュータの起動時に実行しなければならないその他のプログラムを実行する。
2.Config.sys
システムのハードウェアを設定し、デバイスドライバをロードするコマンドが入っているテキストファイル。コンピュータが起動すると自動的に実行される。
●代表的なDOSコマンド
|
|
|
■ディスク/フォルダ/ファイル管理 | ||
ATTRIB | ATTRIB -H C:\USER.DAT | ファイルの属性(アトリビュート)の表示と変更。 |
CD、CHDIR | CD C:\WINDOWS | カレントフォルダを変更。 |
CHKDSK | CHKDSKC: | ディスクをチェックし、現在の状態を表示。 |
COPY | COPY A:\*.* C: | ファイルのコピー。 |
DEL、ERASE | DEL C:\TEMP\*.* | ファイルの削除。 |
DELTREE | DELTRR C:\DOSV | ディレクトリツリーを削除。 |
DIR | DIR WIN?.SYS /P |
フォルダ内のファイルとフォルダの一覧を表示。 |
DISKCOPY | DISKCOPY A: B: | フロッピーディスクのコピー |
EDIT | EDIT C:\AUTOEXEC.BAT | テキストファイルの編集。 |
FC | FC /B C:\WK1.DAT D:\WK2.DAT | ファイル(2 個のファイルまたはファイルの集合)の比較。 |
FDISK | FDISK /MBR |
HDDの区画(パーティション)を管理。 |
FIND | FIND /I "TMP" C:\AUTOEXEC.BAT | ファイルの中からテキスト文字列を検索。 |
FORMAT | FORMAT C: /S |
Windows で使用するためのディスクをフォーマット。 |
LABEL | LABEL D: SUB_FOLDER | ディスクのボリューム ラベルの作成、変更、削除。 |
MD、MKDIR | MD WORK | フォルダの作成。 |
MORE | MORE WORK.TXT | テキスト出力を1画面単位で表示 |
MOVE | MOVE A:*.BAT C:\TEMP | ファイルの移動。 |
REN、RENAME | REN C:CONFIG.SYS *.BAK | ファイル名の変更。 |
RD、RMDIR | RD C:\TEMP | フォルダの削除。 |
SCANDISK | SCANDISK | Windows のスキャンディスクと同等機能。 |
SORT | SORT /+8 <TEST.TXT | MORE | 入力の並べ替え。 |
SYS | SYS A: C: | 起動に必要なシステムファイルをコピー。 |
TYPE | TYPE C:\CONFIG.SYS | ファイルのコンテンツを表示。 |
VOL | VOL C: | ボリューム・ラベルを表示。 |
XCOPY | XCOPY C:\TEMP D:\WORK /S | ファイルとフォルダの一括コピー。 |
■稼動環境設定 | ||
BREAK | BREAK ON | 処理を中断。 |
CHCP | CHCP 932 | 有効なコード ページ番号を表示または変更。 |
CHEV | CHEV US | 日本語/英語環境を切り替え。(通常は「JP」「US」を使用。) |
CLS | CLS | 画面を消去。 |
CTTY | CTTY PRN LPT2 | 他のキーボード、ディスプレイを使用 |
DATE | DATE | 日付を表示または変更。 |
EMM386 | EMM386 ON | EMSメモリーの使用を制御。 |
MODE | MODE LPT1:,10 |
システム デバイスを設定。 |
NLSFUNC | NLSFUNC C:\TEST.DAT | 拡張国別情報をサポート。 |
PATH | PATH C:\DOS;C:\WIN;D:\USER; | 実行可能ファイルの検索パスを表示または設定。 |
PROMPT | PROMPT $P$G | プロンプトの表示を変更。 |
SET | SET TEMP=C:\WINDOWS\TEMP | 環境変数を表示、設定、または削除。 |
SETVER | SETVER C:\DOS.DAT /DELETE | DOSのバージョンを設定。 |
TIME | TIME 9:30:30 | システム時刻を表示または変更。 |
VERIFY | VERIFY ON | ファイルがディスクへ正しく書き込まれたかを照合するかどうか指定。 |
■常駐プログラム | ||
APPEND | APPEND C:\;C:\WINDOWS /X | ファイル検索パスを設定。 |
DOSKEY | DOSKEY DIRW=DIR /W |
コマンド行の編集、DOSコマンドの再呼び出し、マクロの作成。 |
SHARE | SHARE /F:1024 |
HDDのファイルの共有とロック(保護)。 |
SUBST | SUBST DRV1: /E | パスをドライブ名に割り当て。 |
■操作アシスト | ||
COMMAND | COMMAND /P | コマンドインタプリタ(COMMAND.COM)を始動。(2000/XP では CMD.EXE) |
EXIT | EXIT | コマンドインタプリタ を終了。 |
LH、LOADHIGH | LH C:\WORK\TEST.EXE | UMBメモリーへのプログラムをロード。 |
MEM | MEM | DOS上で使用中および使用可能な空メモリの表示。 |
START | START TEST.EXE /M | 別のウィンドウを起動して、指定したプログラムまたはコマンドを実行。 |
VER | VER | Windows のバージョンを表示。 |
■バッチファイル制御 | ||
@ | 現在行の画面への表示抑止。 | |
:(ラベル) | ラベル。 | |
%0〜%9 | パラメータの参照。 | |
%環境変数名% | 環境変数の参照 | |
%%文字 | バッチ・プログラム内の変数 | |
CALL | 他のバッチ・プログラムの呼び出し。 | |
CHOICE | バッチ・プログラム実行中のキーボードからの選択。 | |
ECHO | ECHO 正常終了しました。 |
メッセージの表示、コマンド エコーのオン、オフを指定。 |
FOR | FOR %A IN (*.TXT) DO TYPE %1 | 指定されたコマンドを、ファイルの集合の各ファイルに実行。 |
GOTO | GOTO LOOP(ラベル) | 分岐。 |
IF | IF ERRORLEVEL 2 GOTO END |
条件比較。 |
PAUSE | PAUSE | 処理の停止。 |
REM | REM ***入力プログラム*** | コメントを表示。 |
SHIFT | SHIFT | 参照パラメータを繰り上げ。 |
■CONFIG.SYS作成 | ||
BREAK | BREAK=OFF | 処理の中断。 |
BUFFERS | BUFFERS=50 | バッファー数を設定。 |
COUNTRY | COUNTRY=081,932 C:\DOS\COUNTRY.SYS | 国別情報を設定。 |
DEVICE |
DEVICE=C:\Windows\HIMEM.SYS |
デバイス・ドライバをロード。 |
DEVICEHIGH | DEVICEHIGH=C:\WINDOWS\JDISP.SYS | デバイス・ドライバをUMBへロード。 |
DOS | DOS=HIGH,UMB | HMAとUMBの使用を制御。 |
FCBS | FCBS=64 | ファイル制御ブロック数を設定。 |
FILES | FILES=128 | 同時にオープン可能なファイル数を設定。 |
INSTALL | INSTALL=C:\DOS\MEMCHK.EXE | 起動時にCONFIG.SYSから常駐プログラムを起動。 |
LASTDRIVE | LASTDRIVE=Z | 最終ドライブ文字を設定。(A〜Z) |
REM | REM ***これで起動完了*** | コメントを表示。 |
SHELL | SHELL=C:\DOS\ALT.COM | トップレベルのコマンド処理プログラムを指定。 |
STACKS | STACS=12,128 | スタック数を設定。 |
|
|
arp | ARP で使われる IP とイーサネットまたはトークン リングとの物理アドレス変換テーブルを表示および修正。 |
ftp | FTP サーバーサービス(デーモン)を実行中のコンピュータとの間で、ファイルの転送を行なう。 |
ipconfig | 現在の TCP/IP ネットワーク構成を表示。 |
netstat | プロトコルの統計情報と現在の TCP/IP ネットワーク接続を表示。 |
ping | リモートコンピュータ、またはコンピュータへの接続を検査。 |
route | ネットワークルーティング テーブルを処理。 |
tracert | 診断プログラム。 |
NET CONFIG | 現在のワークグループ設定を表示。 |
NET DIAG | ネットワークの診断情報を表示。 |
NET HELP | コマンドやエラーメッセージの情報を表示。 |
NET INIT | プロトコルやネットワークアダプタ・ドライバをプロトコルマネージャにバインドせず読み込む。 |
NET LOGOFF | 共有リソースとの接続を全て解除。 |
NET LOGON | ワークグループのメンバーとして、ユーザーをネットワーク上で識別。 |
NET PASSWORD | ログオンパスワードを変更。 |
NET PRINT | 印刷待ちの状態を表示し、印刷ジョブを制御。 |
NET START | サービスを開始。 |
NET STOP | サービスを停止。 |
NET TIME | サーバーの時刻を表示したり、コンピュータの時計をサーバーの時刻に合わせる。 |
NET USE | 共有リソースへの接続や接続の解除。 |
NET VER | 使用中のワークグループ・リダイレクタの種類とバージョンを表示。 |
NET VIEW | 共有リソースを提供しているコンピュータ、または特定のコンピュータが提供するリソースの一覧を表示。 |