県内の医師数が9954人と10年間で2228人増えたことが、厚生労働省の医師調査(08年版)で分かった。医師数の増加率(28・8%)では全国2位だが、人口10万人あたりの医師数は139・9人。06年に続き全都道府県では最下位の水準だった。
医師調査は2年に1度行われ、昨年12月にまとまった。9954人は医師数では全国8位で、100平方キロあたりの医師数は254・3人で、これは全国6位だった。
過去10年間で病院勤務医は4854人から5980人に、23・2%増えた。診療所の医師は2872人から3974人と、38・4%増加し、診療所で働く医師が比較的増える傾向がみられる。
診療科目ごとでは、10科のうち8科で2けたの伸び率を示したのに比べ、全国的にも医師不足が指摘される「産科・産婦人科」は414人から420人(1・4%増)と微増だった。「外科」は唯一、781人から579人に減少した。以前は「外科」に分類されていた消化器外科などを加えても748人にとどまった。
さらに、小児科を掲げる病院数は176から132に減少。同様に産科・産婦人科の病院も71から45に減っている。
男女別では、女性医師が1117人から1775人の58・9%増と増加が著しい。医師の平均年齢は98年で48歳だったのが、08年は49・1歳とやや高齢化。全国平均は48・3歳だった。【佐藤丈一】
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98年 08年 増加率(%)
医師数 7726 9954 28.8
内科 2348 2693 14.7
外科 781 579 ▼25.9
整形外科 578 682 18.0
小児科 520 620 19.2
産科産婦人科 414 420 1.4
眼科 404 532 31.7
耳鼻科 316 351 11.1
皮膚科 257 339 31.9
麻酔科 164 259 57.9
精神科 386 498 29.0
(▼はマイナス)
毎日新聞 2010年5月8日 地方版