「日本より中国の歴史歪曲のほうがひどい」

中国の有名歴史教師が映像講義で波紋

 「毛沢東は独裁者であると同時に虐殺者だった。『中国版靖国神社』と言える毛主席記念館は、『大虐殺記念館』に名称を変えなければならない」

 中国で有名な歴史教師が、中国共産党が「新中国建国の父」とうたう毛沢東氏や中国の歴史教科書を痛烈に批判する映像講義を行い、波紋を呼んでいる。

 中国共産党機関紙・人民日報の姉妹紙「環球時報」が7日に伝えたところによると、北京・京華学校の歴史担当教師、袁騰飛氏はこのほど、中国の文化革命に関する110分の映像講義を行った。袁氏は中国国営中央電視台(中央テレビ)の歴史講義シリーズ「北宋と南宋の興亡盛衰」などで番組最高視聴率を記録、中国の高校歴史教科書の共同執筆者を務めたほか、大学入試の歴史教科出題委員でもある。このため、「袁氏の110分間にわたる文化革命についての映像講義を見た人々は数百万人以上で、ほとんどが高校生と推定される」と環球時報は報じている。

 ところが、この映像講義で、袁氏はタブーを犯し、毛沢東氏を正面切って批判した。袁氏は「毛沢東元国家主席に会いたければ、天安門広場の毛主席記念館に行けばいい。だが、その場所は数多くの人々の血で自身の手を染めた虐殺者を崇拝する『中国版靖国神社』であることを忘れないように」と強調した。靖国神社とは、太平洋戦争の戦犯たちも合祀(ごうし)されている、東京都内の神社のことだ。

 さらに、袁氏は「1949年(新中国建国)以降、毛元主席が行った唯一の正しい行いは死んだこと」と痛烈に批判。「台湾の蒋介石元総統は一党統治を行った独裁者だった。毛沢東も同じ」と述べた。

 また、袁氏は「東北工程(中国が高句麗を自国の歴史に組み入れようとする試み)」など中国の歴史歪曲(わいきょく)問題も指摘。「日本も歴史教科書を歪曲しているが、中国ほどではない。中国の歴史教科書の記述内容に、真実は5%もなく、あとは完全な虚構」と主張した。

 この講義の内容が伝えられると、中国当局は直ちに映像の流布を禁止する措置を取ったが、インターネット上には転載が相次いでいる。

 これについて、ネットユーザーの多くは袁氏を「反逆者」「反革命分子」と糾弾している。

香港=李恒洙(イ・ハンス)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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