あまりに安易な出店

May
01
2010

 GWたけなわです。今年はお天気もいいらしいし、景気回復を暗示してるのかな、と思ったりもしてます。

 

 ところで、最近の外食産業は異変が起きていますね。多店舗展開する店の競争は熾烈で、ほとんどの店が低価格戦略へと大きく梶を切った感じがしますが、その影響で品質の低下も目を覆うようなこともしばしば体験するハメに・・・。不況の影響を大きく受けるのは何と言っても「食の品質」です。それが実に嫌な感じなんですね。

 

 今日、新規開店した和風パスタのお店に行きました。馴染みのお好み焼き店が店じまいをしてしまって、その後に急遽突貫工事の内装を終えて短期間の出現したお店です。そこで、大好きな「ボンゴレ」を注文しいただきましたが、いやはやその品質には肝を潰しました。生パスタ専門ということで、ちょっと不安だったのですが、これが見事に的中。生パスタの持つ独特の生臭さが全然消せてないばかりか、和風の出汁を混ぜていてこれが酷くアンバランス。さらに、小粒のあさりが12個入っていてその中の4個が、開かないという曲者。パスタを口に含んだ瞬間に、噛めなくなるほどの鼻に抜けるにおい・・・。そのあまりの酷さに唖然とさせられました。これで¥780-かぁ・・・・と。口直しにクリームあんみつをいただくと、これが何と、缶詰の・・・・。寒天もフルーツも黒豆も蜜もすべてそのまま。お愛嬌でレディーボーデンを添えただけで、出してくるその根性!まったく信じられないというか、酷いものでした。こんな出店の仕方が許されるのか・・・。新装開店とGWということでそこそこお客は入っているようでしたが、それにしてもあまりに非道のビジネス。いくらなんでも、そういうものを出すという見識が理解の外です。

 

 新規店舗だから不慣れなスタッフの態度が再三にわたってオーダーを確認にくるという不手際は許せたとしても、長い空いた待たされた挙句にこの料理では、まったく納得できない思いでした。帰りにレジで「ここはどこかの系列店ですか?」と聞いてみると、「ハイ、○○の和風店です」との返答。それにしても、ここまで味や調理をないがしろにするとは・・・・。

 

 不況だから、調理の内容や量が一目でわかるほど変ってしまった店、素材を落としている店、量が減ってしまった店等々。辺りにはいくらでもありますし、そういう体験をした方も多いでしょう。同じ、金額を支払って、劣ったものしかいただけないとすれば、外食産業はまずまずダメになってゆきます。これなら、同じ金額で頑張って「味」や「量」を維持してくれたほうがいい。むしろ僅かな値上げならそれもかまわないと思います。外食する理由はもちろん、「味」にあるのでしょうが、雰囲気を味わいたいとか家族団欒のために、とか「味以外」の要素も多い。しかし、露骨なコストダウンの姿勢がその期待を大いに裏切り台無しにします。食をビジネスとしか捕らえない姿勢、裏返せば「食」で儲けてやろうという姿勢が、なんとも二流です。

 

 食がダメになるのは辛いですね。

 

Posted by 有海啓介 | この記事のURL |