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こわばる首相、島民憤り 徳之島3町長「2万5800人分の民意」
「絶対的に反対」「断固反対」。米軍普天間飛行場の移設問題で、鹿児島県・徳之島の3町長は7日の会談で、島民約2万6千人に匹敵する約2万5800人分(出身者ら含む)の署名を手に、徳之島の「民意」を強調した。署名を手渡された鳩山由紀夫首相は、顔をこわばらせた。島の住民からも憤りの声が上がった。
「島民にご迷惑を掛け、おわびしたい」
午後3時すぎ、丁寧な口調で切り出した鳩山首相は「連絡が遅きに失し、ご無礼申し上げる」とか細い声で述べた。両手を前に組み、硬い表情で沖縄の負担軽減の必要性を強調し、町長らを見つめた。
これに対し、高岡秀規(ひでき)徳之島町長らは「重いですが」と言いながら、反対署名の束を鳩山首相に手渡し、「島の民意は絶対的に反対」「断固反対」と強調。大久幸助(おおひさ・こうすけ)天城町長は「(絶滅が懸念されている国の特別天然記念物)アマミノクロウサギなど、自然を生かした観光や農業で島は自立できるのに、基地移設で駄目になる」と主張した。
鳩山首相は何度も小さくうなずき、唇をかみしめた。
会談後、鳩山首相から「今後も何回か話し合いたい」と打診されたことを明かした町長らは、「民意が変わることはない」「何十回会っても平行線」と言い切った。
島民からも憤りの声が相次いだ。農業を営む伊仙町議会副議長の伊藤一弘さん(61)は「こんなに近いのに鹿児島県というだけで県外の口実に使われたら、たまったもんじゃない。バカにするのもいいかげんにしてくれ」と憤り、「基地なんか来なくても、ここは農業でやっていける」と胸を張った。