【NQNニューヨーク=滝口朋史】6日のニューヨーク外国為替市場で円相場は急伸し、前日比3円20銭円高・ドル安の1ドル=90円55~65銭で取引を終えた。欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が、この日の理事会で国債購入を議論しなかったと発言したことをきっかけに円買い・ユーロ売りが膨らみ、対ドルの円相場を押し上げた。株安を受け米国債利回りが急低下し、日米金利差が縮小したことも円買い・ドル売りを誘った。円は一時87円95銭と2009年12月10日以来5カ月ぶりの高値水準を付けた。
ギリシャ発の信用不安に歯止めをかけるため、市場の一部ではECBがギリシャ国債などを市場で購入するとの思惑が出ていた。トリシェ総裁の発言を受けて失望が広がり、ユーロ売りが膨らんだ。
欧州の信用不安が深刻化するとの見方から、運用リスクを避ける動きが広がった。米株式市場でダウ工業株30種平均が一時1000ドル近く下落。外為市場ではクロス円取引(ドル以外の通貨の対円取引)で高金利通貨や資源国通貨を売って円を買う動きが強まった。「質への逃避」目的の債券買いで米国債利回りが大幅に低下したこともあって、円買い・ドル売りに拍車がかかった。
ニューヨーク市場の円の安値は朝方に付けた93円95銭だった。
円は対ユーロで急上昇し、前日比5円95銭円高・ユーロ安の1ユーロ=114円25~35銭で終えた。トリシェ総裁の発言がユーロ売り・円買いを誘ったほか、米株安もリスク回避目的の円買いにつながった。
欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)による支援と引き換えにギリシャ政府が決めた追加緊縮策を実行するための関連法案をギリシャ議会が賛成多数で可決したが、ユーロ安に歯止めはかからなかった。円は一時110円49銭と、01年12月以来ほぼ8年5カ月ぶりの円高・ユーロ安水準を付けた。
ユーロは対ドルで大幅に4日続落し、前日の1ユーロ=1.28ドル台前半から1.26ドル台前半に水準を切り下げた。欧州の財政不安が拡大するとの思惑や米株安を背景に、運用リスクを避けようとするユーロ売りが広がった。ユーロは1.2510ドルと09年3月以来1年2カ月ぶりの水準まで売られる場面があった。高値は朝方に付けた1.2770ドル。
ECBはこの日の理事会で政策金利の据え置きを決めたが、市場の想定内だったため材料視されなかった。
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| 日経平均(円) | 10,364.59 | -331.10 | 7日 大引 |
|---|---|---|---|
| NYダウ(ドル) | 10,337.36 | -182.96 | 7日 10:32 |
| 英FTSE100 | 5,092.54 | -168.45 | 7日 15:31 |
| ドル/円 | 91.22 - .24 | -2.37円高 | 7日 23:26 |
| ユーロ/円 | 115.18 - .24 | -4.58円高 | 7日 23:26 |
| 長期金利(%) | 1.280 | +0.010 | 7日 17:56 |
| NY原油(ドル) | 77.11 | -2.86 | 6日 終値 |
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