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日本医師連盟:参院選「推薦なし」模索…民主側の要求受け

 日本医師会(日医、原中勝征会長)の政治団体・日本医師連盟は、参院選比例代表への対応について、民主、自民両党の候補を2人とも推薦しない方針を模索している。民主党幹事長室が原中氏に求めているためだ。親民主を掲げる原中氏は、日医連の推薦候補を自民党現職の西島英利氏(62)から民主党新人の医療法人理事長、安藤高夫氏(51)に切り替えることを狙ったものの、組織内には民主全面支持に流れることには抵抗が強い。このため、民主党側は「政治的中立」を大義名分に2人とも推さない形を取ることで西島氏の推薦を取り消し、日医連と自民党との関係を断ち切りたい考えだ。【鈴木直】

 日医連委員長でもある原中氏は7日、東京都内で開かれた日本記者クラブ主催の記者会見で参院選の対応を問われ、「最終の結果は微妙なので、今は差し控えたい」としつつ、「私の判断は政権政党とのパイプを大事にすることだ」と述べ、安藤氏を推薦したい考えを示した。

 しかし、民主党政権の支持率が急落する中、日医内には同党支持に傾斜することへの警戒が根強くある。先月20日の日医連執行委員会では、原中氏が狙った西島氏の推薦撤回案に賛同を得られず、原中氏の日医内での基盤の弱さを露呈した。

 一方、安藤氏の陣営では西島氏とともに2人推薦に持ち込もうとしている。既に複数の都道府県から推薦が出ており、11日の日医連執行委員会では安藤氏の推薦も議題に上るとみられる。

 だが、結果的に西島氏の推薦が残るという双方推薦案には、民主党側に「日医から自民党にカネと人が流れるチャンネルを断ち切れない」(党関係者)との不満がある。そこで民主党に偏ることで政治に強い影響を受けることを嫌う日医連の空気を逆手に取り、「両方推薦しない」との奇策を考え出した。西島氏には「日医連の推薦がなければ出馬は難しい」との見方が強く、西島氏の推薦を取り消すことにより、日医連の自民支持団体としての機能を喪失させることも可能となる。

 ただ、自前候補の当選よりも自民党支持基盤の切り崩しを優先する考えには民主党内にも異論がある。基盤の弱い原中氏が民主党の意向通り、「双方推薦せず」を貫けるかどうかを疑問視する声も強く、実現できるかどうかは微妙だ。

毎日新聞 2010年5月7日 23時02分

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