自民党が市議選で議席を大幅に減らしている。57市議選が集中した4月だけで選挙前の60議席から38議席に激減。一方、普天間問題や「政治とカネ」の問題で支持率下落が続く民主党は21議席から27議席に増加。逆風の中で踏みとどまっている。
政権交代のあった昨年9月から今年4月までの政令指定市、一般市の市議選は計約150あり、月平均では20前後。このうち、地方選が集中した今年4月の57市議選の各党議席を選挙前と比べた。
自民党の議席減について、同党選対幹部は「市議レベルでは保守系無所属の議員が多いので、多少議席が減ったからと言って深刻に受け止める必要はない」と指摘する。
ただ、同党の議席があった12市のうち、秋田県能代市で6議席がゼロになるなど8市で議席を減らした。佐賀県武雄市では「前回は自民公認で当選した市議たちが今回、無所属で出馬した」(自民党関係者)という事情もあり、「自民離れ」もうかがえる。
一方、民主党が議席を増やしたのは愛知県清須市や福井県坂井市など10市。このうち7市は前回ゼロから議席を得た。これまで無所属で出馬していた現職が政権交代をきっかけに民主党へ切り替えるケースもあった。政権交代で中央とのパイプができ、民主党公認を選ぶ候補者が増えているのは間違いない。
ただ、民主党が政権交代時のような勢いを維持しているわけでもなさそうだ。埼玉県久喜市では前回トップ当選だった現職が8位に後退し、みんなの党公認が1位当選を果たすなど、同党への期待は大きい。このほか、公明党は97議席から100議席に。共産党は119議席から108議席、社民党は24議席から20議席という結果だった。(関根慎一)