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【ゴルフ】三塚優子がブチ切れ途中棄権 遅延プレーで2罰打科せられ2010年5月7日 紙面から
◇ワールドレディス選手権 第1日▽6日、茨城・茨城GC(6655ヤード、パー72)▽晴れ、気温27・2度、風速6メートル▽賞金総額1億2000万円、優勝2400万円▽144選手▽観衆5374人 ☆ギャラリーバス つくばエクスプレス・みらい平駅から 昨年賞金ランク5位の三塚優子(25)が、遅延プレーのため2罰打を受けたことに抗議し、競技途中で棄権するという事態が起こった。これまで選手が競技委員会の裁定に不服を唱えた例は少なくないが、それを理由にしての棄権は前代未聞。強風の吹き荒れた今季国内メジャー初戦の初日、舞台裏も激震した。 地元開催のメジャー制覇に燃えていたはずの三塚が、9番ホール終了時点で棄権。同組だった馬場ゆかり、ニッキー・キャンベル(オーストラリア)が10番ティーを去った後、クラブハウス前で展開されたのは、競技委員2人と大会実行委員長、三塚の押し問答だった。 「私は納得いかないです」と三塚は泣きながら抗議。江間陽子競技副委員長が「でも、あなたが1打にかけた時間は、明らかにペナルティー対象です」と返した。 状況はこうだ。 ラウンド序盤からプレー進行に時間がかかった三塚組は、徐々に前組との間隔を空けてしまい、7番ティー到達時点で前組はすでに8番グリーン上にいた。ここで競技委員会は三塚組3人に「前と開いてます。急いでください」と注意した。 『LPGA競技の条件』には「パー4が1ホール開いた場合は、その組はプレー進行上正しい位置から外れているものと見なされ、遅れを取り戻すまで計測対象となる」という規則がある。7番ホールを終えて、さらに前組と離れたため、競技委員会は8番パー3で3選手のプレー時間を計測。馬場、キャンベルに問題はなかったが、三塚のプレー所要時間が遅延と見なされ、規定により2罰打が宣告された。 現場に立ち会った江間競技副委員長は「三塚さんのティーショットは28秒、ファーストパットに75秒、セカンドパットにも75秒が要された。状況の難しさも考慮しファーストパットの計測には猶予も持たせたが、規定は1打30秒。大きく逸脱していたのでペナルティー対象としました」という。 三塚は約1時間の抗議の後「納得できず、この精神状態でこれ以上プレーを続けても、ボロボロになるだけだと思った。だから棄権という手段を選んだ」と報道陣に説明。やや冷静になって「去年の日本女子プロ選手権(9月)に初めて遅延ペナルティーをとられて以来、自分なりには規定時間内でプレーする努力もしてきた。でも公式戦(メジャー戦)の難しさの中で1打1打に慎重になりすぎて…。ただ、今も棄権したことに後悔はありません」と涙ながらに言い置いてコースを去った。棄権の公式表示は「私的理由の為」。LPGA側は事態を軽視しておらず、今後TPD委員会で懲罰の可能性を含めた審議を行う予定という。 (月橋文美)
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