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2打罰にブチッ…三塚、前代未聞の“職場放棄”
クラブハウスで説明を受け、涙目で退出する三塚(中央)
Photo By スポニチ |
藍ちゃん凱旋に沸く女子プロゴルフのワールドレディース・サロンパスカップで前代未聞の騒動が発生した。6日の第1日、三塚優子(25=フリー)がスロープレーでの2打罰に不満を爆発させ、9ホールを終えた時点で「私的理由のため」に棄権。将来有望の大型ゴルファーによる“職場放棄”に対し、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)が処分する可能性も出てきた。
クラブハウス前には時に涙をぬぐいながら必死に競技委員2人に訴える三塚の姿があった。「2打の罰が納得いかないから私はやめます」。興奮気味の三塚に対して競技委員はき然とした態度でスロープレーの理由を説明した。だが「メジャーなんだからコースもグリーンも難しい。時間がかかるんだから考えてほしい」など、なおも三塚は言い分を続けた。
裁定を不服としての前代未聞の棄権劇。事の発端は三塚自身のスロープレーだった。三塚組の7番パー4のティーショットの際に既に前の組は8番のグリーン付近。競技委員は急ぐよう指示したが、7番終了時ではさらに前の組との差が離れた。そのため、競技委員は8番パー3から計測を開始。1オンした三塚は3・5メートルの最初のパットで75秒、返しのパットにも75秒をかけ、50センチのボギーパットにも20秒を要した。規定では1打にかけられる時間は60秒がリミット(目安は30秒)。2度もオーバーした三塚には9番ティーで競技委員から2打罰が宣告された。
地元・茨城での開催に加え、3月末に72歳で亡くなった父・康輝さんが最後に観戦に訪れたのが昨年のこの大会ということもあり、三塚のこの大会に懸ける思いは強かった。だが、だからといって計測に文句をつけるのは筋違い。「たまたま私に(罰が)来るのは納得できない」とも訴えたが、同組の馬場、キャンベルも計測され、時間をオーバーしたのは三塚だけ。スロープレーの多発に伴い、罰則も昨季までの1打罰から今季は2打罰に改訂されたばかり。そんな状況下では何を言っても無駄だった。
大型ゴルファーの三塚にはツアーを担う選手としてLPGA内でも期待の声は大きかった。それだけに小林実行委員長は「時間をかけて(ツアーの)環境をつくってきた。プロスポーツとして公平だし、信頼関係で成り立っている。三塚はゴルフ界の財産なのに個人的な主張だけして、試合を放棄するのは残念」と苦言を呈した。
場所をクラブハウス内に移して行われた約1時間の話し合いの末、三塚は棄権を「私的理由」として届け、引き揚げる際にはプレー後の勢いはなくなっていた。だが、私的感情でファンを無視した“職場放棄”に打って出たのは事実。小林実行委員長は「(協会発足後)43年間を振り返っても記憶にない」としたうえで「処分の可能性はゼロではない。厳重処分もあり得る」との見解を示した。今回の騒動についてはツアー全般を対象とする17日のTPD委員会で協議され、6月7日の理事会で最終決定されるが、感情に任せた軽率な行動の代償は大きい。
<藍もビックリ「残念だなあ」>宮里はホールアウト後に三塚の棄権を知って「そうなんですか」と驚いた様子。米女子ツアーで5年間戦っているが、今回のような事例は聞いたことがないという。「アメリカの選手なら、むしろ終わってから抗議するかな。怒っても自分のプレーを投げることはないと思う。それは残念だなあ」と話していた。
≪今季初のペナルティー≫スロープレーのペナルティーを受けたのは、今季は三塚が初めてとなった。昨年の罰則適用は9回あり、4月のライフカード・レディースでは申ジエもペナルティーを受けた。2オンの狙えるパー5などは仕方ないが、若い選手や海外の選手にラインを慎重に読み過ぎたり、ルーティンに時間をかけすぎる傾向が目立つ。組数の多い予選ラウンドでは、1打ごとに前がつまって全体の流れも悪くなる。
◆プレーのペース LPGAのルールでは、前の組との間隔が14分以上あいた場合、またはパー4でティーグラウンドに立った時点で前の組がホールアウトしていた場合、その組が遅れを取り戻すまで競技委員による計測の対象になる。
計測は自分の球がある場所に着いて、妨げられることなくプレーできるようになった時点から始まる。本人やキャディーが距離を歩測したり、パットのラインを読むための時間も含まれる。
その上でペナルティーの対象となるのは3通り。(1)遅れている組の選手が1ストロークに60秒以上の時間をかけた場合(2)1ホールの平均所要秒数より11秒以上かかった場合(3)1人の競技者が著しく遅い時は基準に該当しなくとも罰則を適用。今回の三塚は(1)に該当した。なお、罰則は初回、2回目は2打罰、3回目以降は失格。
【第1R】
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