【コラム】「天安」事故とムーディーズのメッセージ(下)

 ムーディーズが北朝鮮リスクに対する立場を表明したのは今回が初めてではない。1993年に北朝鮮が核拡散防止条約(NPT)を脱退して以降、金日成(キム・イルソン)主席の死去、2回にわたる西海(黄海)での軍事衝突、核実験などの重大事態が起きるたびに、一貫した発言を行ってきた。それは韓米同盟が強固である以上、北朝鮮リスクは韓国の格付けに影響を与えないという立場だ。しかし、これとは対照的に、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権が大統領選挙の勝利に酔いしれていた2003年1月、北朝鮮がNPT脱退を再び宣言したことに加え、ろうそくデモの影響で外国人投資家による韓国離れが起きた当時、バーン副社長は韓国の格付けを2段階も引き下げた。「386世代(90年代に30代で、80年代に大学生として学生運動に参加し、60年代生まれの人)」が北朝鮮の主張をそのまま繰り返したからだ。

 ウォール街の冷静な金融人にとって重要なのは、コントロール不能な北朝鮮の挑発行為ではなく、むしろそのリスクに対する韓国人の対応姿勢のようだ。政界が「敵前分裂」を起こしていないか、韓国と米国が北朝鮮に対する共同戦線をしっかりと張っているか、人類の歴史上最も成功したとされる韓米軍事同盟に韓国人がどれほど愛着を感じているかなどが条件だ。それこそ「天安」事故で揺れる韓国に対しムーディーズが発したメッセージだ。

金起勲(キム・ギフン)経済部次長待遇

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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