米国務省、1969-72年の韓米外交文書を公開(上)

69年に北が米偵察機を撃墜、ニクソン大統領はミグ飛行場の空襲を検討

 北朝鮮の故・金日成(キム・イルソン)主席は、1968年に起きた武装スパイによる韓国の大統領府(青瓦台)襲撃事件について、「北朝鮮の極左勢力による犯行」と韓国側に説明していたことが分かった。

 米国務省が4日に公開した、1969年から72年までの韓米関係関連の外交文書によると、金主席は72年5月初め、極秘に平壌を訪問した中央情報部(KCIA)=現・国家情報院=の李厚洛(イ・フラク)部長に対し、上記の発言を行ったという。

 当時、ニクソン米政権下で安全保障担当補佐官を務めていたキッシンジャー氏に報告されたこの文書には、「金主席の発言は自分の身を守るためのものだったかもしれないが、われわれは当時、数年間にわたり、北朝鮮内部で実際に派閥争いがあったという証拠を確保している」との記録がある。

 この文書にはさらに、「李部長は金主席に会った直後、“金主席は現実感覚があり、鋭い洞察力を持っている上、自分を取り巻く太鼓持ちの弱みについてもしっかりと把握していた”と結論付けた」と記されている。

 72年には李部長と、金主席の弟である金英柱(キム・ヨンジュ)労働党組織指導部長との間に「ホットライン」が設置されたが、わずか2回しか使われなかったという。北朝鮮側は71年12月15日、ホットラインを利用して韓国に電話をかけ、「南朝鮮(韓国)軍が非武装地帯(DMZ)で機関銃を500発以上乱射した。われわれは近く報復を行う」と伝えてきた。これに対して李部長が、現場での状況を収拾した結果、「枯れ木による光の反射を敵のものと勘違いして銃撃を行った」と説明したことから、北朝鮮は報復を行わなかった。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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