金総書記訪中:中国政府が『紅楼夢』チケット買い占め

 中国国営のマスコミ各社が、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の北京到着を前に、北朝鮮の「血の海歌劇団」による『紅楼夢』の中国初公演について集中的に報じたことから、その背景に関心が集まっている。

 金総書記の訪中について箝口(かんこう)令が敷かれている中国国営のマスコミ各社が相次いでこの公演に関する報道を行っていることから、金総書記の中国滞在中に、両国首脳が同公演を共に観覧するものとみられている。

 「血の海歌劇団」の団員198人は、金総書記の訪中前日の2日午後4時、列車で中国入りした。公演は6-9日、北京テレビ大劇院で行われる予定だ。

 中国国営の新華社通信、中央テレビ、北京テレビなどは、「血の海歌劇団」の出演者たちが丹東に到着した直後から、一行の様子を詳しく報じている。中央テレビはキム・イルファン、イ・ジョンランら主演俳優による記者会見が行われた4日に主要ニュースで、「兄弟国で初めて公演ができてうれしい」というインタビュー内容を放送した。北京テレビも、「北朝鮮版の『紅楼夢』が初めて中国で公演される。出演者は1980年代以降に生まれた俳優たちで、新たに構成された」と報じた。

 『紅楼夢』は中国・清の時代に貴族家庭に生まれた男女の愛を描いた古典長編小説で、1961年に中国でこの公演を見た故・金日成(キム・イルソン)主席の指示により、同年に北朝鮮版の『紅楼夢』が制作されたという。中国は当時、演出者を北朝鮮に派遣し、衣装や小道具なども支援した。それ以降、『紅楼夢』は中朝親善のシンボルとされてきた。昨年10月に北朝鮮を訪問した温家宝首相も、金総書記と共にこの公演を観覧している。

 今回の公演は今月6-9日午後7時から開催される予定だ。ちなみに6-7日のチケットは中国政府がすべて買い占めていることから、この期間に両国指導部が観覧する可能性が高い。北京の北朝鮮消息筋は、「今回の北朝鮮版『紅楼夢』の公演は、昨年10月に金総書記の指示により新たに制作されたものだ。今年は中国による韓国戦争(朝鮮戦争)参戦60周年に当たることから、親善行事の一つとして、両国指導部がこの公演を共に観覧するとみられる」と述べた。

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

【ニュース特集】金総書記4年ぶり訪中

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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