金総書記訪中:相次ぐ経済視察の裏事情(下)

 金総書記は就任以来、過去4回の訪中で、いずれも中国の経済拠点を回った。初訪問となった00年5月には北京の情報技術団地として知られる中関村、聯想集団(レノボ)のパソコン工場を視察した。01年には上海のゼネラルモーターズ(GM)、NECの工場や証券取引所を訪問後、「上海が天地開闢(かいびゃく)した」と感想を述べた。06年の4回目の訪問では華南の開放都市である広州、深セン、珠海や福建省のアモイなどを回る長期日程を組んだ。

 しかし、一連の訪問が北朝鮮の改革開放につながることはなかった。02年に市場経済的要素の拡大を柱とする経済管理改善措置を示し、新義州特区計画を発表したが、数年後に改革開放派が大挙粛清されることで結末を迎えた。06年には華南を訪問した後に1回目の核実験を実施し、中国指導部が激怒したとされる。

 北京の対北朝鮮消息筋は「北朝鮮は今年初めに外資誘致の窓口として、国家開発銀行を設立したが、改革開放の動きはまだ見られない。大連、天津の2都市訪問は『急場しのぎ』の性格が強い」と指摘した。

 今回の訪中に金総書記の三男、ジョンウン氏が同行したとの説もある。中国の現地消息筋は、金総書記は丹東、大連、北京にジョンウン氏を帯同したとの情報を明らかにした。しかし、北京の外交筋は「複数のルートでうわさが出ているのは事実だが、具体的な根拠はまだない」と語った。

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

【ニュース特集】金総書記4年ぶり訪中

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
関連記事 記事リスト

このページのトップに戻る