金総書記訪中:相次ぐ経済視察の裏事情(上)

 中国を訪問している北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は5日、北京入りに先立ち、「北の上海」と呼ばれる天津を訪問した。3-4日の大連訪問に続く経済視察だ。貨幣改革でさらに悪化する経済難に加え、哨戒艦「天安」沈没事故で緊張が高まっている北東アジア情勢を考えると、余裕さえ感じられる。

 金総書記が5日に訪問した天津の浜海新区は、中国政府が2005年から、上海の浦東地区のような経済の中心地として整備を進めている地域だ。計画面積は2270平方キロに達し、モトローラ、エアバス、ヤマハなど世界各国の有名企業4000社が進出している。韓国企業もサムスングループが13の工場を設置しているのをはじめ、LG電子、現代モービス、錦湖タイヤなど100社余りが投資している。金総書記は04年の訪中でも、開発が始まったばかりの同新区を訪問したことがあり、6年ぶりの再訪となる。

 金総書記が北京入りに先立ち、経済都市を相次いで訪問したことについては、北朝鮮にとってやむを得ない選択だったのではないかとの指摘が出ている。経済難、国際的孤立を打開するため、中国政府と民間による投資を引き出すためのショーケース的訪問とみられるからだ。北京大の北朝鮮問題専門家は「南北経済協力の中断で、北朝鮮は外貨が徐々に枯渇しており、物資も非常に不足している。中国政府と民間企業に対し、改革の意思を意識的に示そうとした行動ではないか」と分析した。

 金総書記の足取りは、北朝鮮経済の差し迫った状況を反映しているが、訪問がどれだけの成果を挙げるかは未知数だ。

【ニュース特集】金総書記4年ぶり訪中

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
関連記事 記事リスト

このページのトップに戻る