金総書記訪中:首脳会談、北の6カ国復帰が主要議題か

 中国の胡錦濤国家主席が、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記との首脳会談で内心聞きたいと思っているのは、哨戒艦「天安」の沈没事故に関する説明とみられる。

 しかし、専門家は「天安」事故を中国側が切り出すのは困難だと異口同音に語った。事故の真相が中国の望むものである可能性が高い上、金総書記が「不利な真実」を語ることもあり得ず、真実を確認することが今後の中朝関係に役立つとの保障もないためだ。説明が行われるとすれば、北朝鮮が自発的に行い、それも首脳間ではなく両国参謀レベルで行われるのではないか。

 従って、現実的には中国側の要求は、北朝鮮の6カ国協議復帰に絞られるとみられる。中国は昨年初めから北朝鮮の6カ国協議復帰のため努力してきた。昨年7月に北朝鮮が「6カ国協議は永遠に終わった」と宣言した際には、温家宝首相が北朝鮮を訪問し、直接北朝鮮に復帰を迫った。今回は北朝鮮も要求を受け入れるとみられる。それが「天安」事故の局面を打開する最も賢明な選択だという共通認識が双方にあるためと言える。

 北朝鮮が主要議題とする経済協力に関しては、中国の民間企業による参入や投資が増えるように、インフラや制度の改善を求めるとみられる。中国の民間資本が、投資回収の不確実性などを理由に対北朝鮮投資に消極的だからだ。過去の慣例に照らせば、中国式の改革開放に直接言及する可能性は高くない。しかし、「民生」を強調する形で、変化を間接的に求めるとみられる。

 両国関係の強化に対する注文も忘れないはずだ。金総書記の訪中は2006年1月以来4年ぶりとなる。北朝鮮は2回の核実験を行い、両国関係が冷却化したためだ。中国としては北朝鮮に対する影響力を背景として、6カ国協議の主導権を維持するためには、両国関係の安定が必須だ。

 後継者問題も胡主席が尋ねるのではなく、金総書記が自ら説明する形だった可能性が高い。北京の外交筋は「『天安』事故と経済難の中で行われた訪中だったたけに、金総書記による中国側に対する注文や説明が多かったはずだ。胡主席は主に聞き役に回ったのではないか」と話した。

北京=崔有植(チェ・ウシク)特派員

【ニュース特集】金総書記4年ぶり訪中

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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