金総書記訪中:中朝首脳会談の内容とは(下)

専門家が予想

 しかし、金総書記が現在解決しなければならない課題は経済難だけではない。「天安」事故の「唯一の容疑者」として国際社会から冷ややかな疑いの目を向けられ、健康状態も悪化し続ける中で後継体制はいまだに不安定だ。こうした状況で、金総書記が頼れるのは中国だけだ。チュ・ジェウ慶熙大教授は「昨年、中国が金総書記を招待した理由が中朝修交60周年だっただけに、金総書記は今回両国の“血盟関係”をさらに強調するはずだ」と語った。経済だけでなく、韓国戦争(朝鮮戦争)のときのように、安全保障問題でも両国が協力する必要があるというわけだ。

 金総書記が中国にとって安全保障の懸案である6カ国協議(議長国:中国)復帰のカードを切り出す可能性が高いという分析も、こうした理由からだ。6カ国協議への復帰は経済支援を引き出す名分にもなる。一方、キム・ヨンス西江大教授は「『天安』事故により、6カ国協議の再開が難しいことを北朝鮮も知っているはずだ。恩を売るという意味で、6カ国協議への復帰を示唆する可能性がある」と指摘した。

 「天安」事故について、国家安保戦略研究所のパク・ビョングァン博士は、「(訪中は)南北関係が緊迫化している状況で自衛的措置を取ったものだ。同志の立場から受け入れてほしいと話す可能性がある」との見解を示した。だが、「確実な物証もないのに『天安』事故について直接言及し、後で責任を取るような状況を作ることはない」(イ・ジョウォン中央大教授)という見方が支配的で、「報告を受けていない」とあいまいに答える可能性もあるとの見方もある。

アン・ヨンヒョン記者

【ニュース特集】金総書記4年ぶり訪中

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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