金総書記訪中:中朝首脳会談の内容とは(上)

専門家が予想

 5日午後、中国・北京で北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記と中国の胡錦濤主席が首脳会談を行った。専門家らは、両国の最大の懸案は「天安」の沈没事故だが、中国はそれについて問いただすことはできず、北朝鮮も答えられない「パンドラの箱」だったはずだと指摘した。その代わり、中国は北朝鮮に対し6カ国協議への復帰を求め、北朝鮮は中国の経済支援を要請するという、「天安以前」の懸案が議論された可能性が高いとみている。

 このデリケートな時期に両国の首脳が顔を合わせたことだけでも、「天安」の問題を両国が共に乗り切るという意志を国際社会に知らしめたことになり、「6カ国協議への復帰と経済支援」の交換は、北朝鮮を「天安」の危機から救い出す最善の方策でもある。

 専門家らは5日、金総書記が中朝首脳会談で胡主席に6カ国協議に復帰する意思を表明し、「経済協力と支援が必要だ」と言及する可能性が高いと指摘した。「天安」事故については、「カミングアウト(告白)」するより「韓半島(朝鮮半島)の緊張は望まない」という風にうやむやな見解を示すという見方が優勢だ。

 専門家らは、金総書記が電撃訪中した背景には「天安」事故があるが、今の北朝鮮にとって最も切実なのは「経済支援」と分析した。北朝鮮経済はデノミネーション(貨幣呼称単位の変更)の失敗と春窮期(前年の食糧を食べ尽くす春の端境期、4-5月)が重なり、軍用米を放出するほどに厳しい状況だ。金総書記訪中のニュースを知った住民らはすぐに、「コメをもらいに行ったのか」という反応を見せたという。統一研究院の鄭永泰(チョン・ヨンテ)博士は、「以前のようにただで支援してくれと言うわけにもいかず、東北3省の物流のため中国が求めている羅先港の開発などを提示するだろう」と指摘した。金総書記が訪中後すぐに羅先港の見本となる大連港を視察したのも、こうした見方を裏付ける。

【ニュース特集】金総書記4年ぶり訪中

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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