【訃報】元祖「国民的歌手」白雪姫さん83歳(上)

『春の日は行く』で韓国中を涙させ、春にゆく

1950-60年代のトップスター、常に美しさ心がけた歌謡界の花

 「薄紅色のチマ(スカート)が春の風にそよぎ/今日も胸のリボンかみ 山ツバメ飛ぶ城隍堂の道に/花が咲けば共に笑い 花が散れば共に泣いた/心からの誓いに 春の日は行く」

 『春の日は行く』はいつからか、母を思い起こさせる歌、青春を振り返らせる歌になった。澄んだ声の奥に、揺れる「恨(ハン=かなわぬ思い)」が込められた『春の日は行く』を歌った歌手、白雪姫(ペク・ソルヒ)=本名:キム・ヒスク=さんが5日午前3時、死去した。83歳だった。

 白さんは演技派俳優だった俳優のファン・ヘ(本名:チョン・ホング)さん(2005年死去)の夫人であると同時に、1980年代のスター歌手、全永禄(チョン・ヨンロク)さんの母であり、人気アイドルグループT-ara(ティアラ)のメンバー、チョン・ボラさんの祖母だ。そして何よりも、韓国戦争(朝鮮戦争)後、韓国人の心に花を咲かせてくれた「生まれながらにしての歌手」だった。

 息子の全永禄さんは「コンサートや番組が終わり、家に帰ってきても、メークを落とさず、歌手としての人生に強い自負の心を持っていた。いつもきちんとした身なりで、ほかの人にも親切だった母は、『最期まで美しい姿のまま死なせてほしい』と話していた。昨年末から高血圧の合併症に苦しみながらも、家族に会う時はきちんとメークをしていた」と話す。明るい日差しの春の日のように生きることを心掛けていたのだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る