DMB携帯電話で世界市場進出を図る韓国(上)

創刊90周年特集 「コリア・スタンダード」の世界普及

 「携帯電話でテレビが見られる」

 今年3月初め、ベトナムの首都ハノイの中心街キムマで、会社員のウンエン・タン・ウンアさん(26)は、生まれて初めて目にした「DMB(デジタルマルチメディア放送)携帯電話」に釘付けだった。

 普段は「iPhone(アイフォーン)」と「Anycall(エニーコール)」を持ち歩いているというウンアさんは、「DMB携帯電話はどこで買えるのか。運転中も見ることができるのか」と質問し、興味津々だった。

 韓国の技術で開発されたモバイル方式の地上波DMBの海外進出が急速に進んでいる。韓国では05年12月からDMB放送を開始しており、海外ではベトナムやカンボジア、マレーシア、エジプトなどで試験放送を行っている。現在ハノイでは半径30-35キロでDMBの電波が配信されており、6月からはホーチミンでも受信可能になる。試験放送期間を経て、8月ごろから本格的なモバイル放送が開始される予定だ。

ベトナム初のモバイル放送8月から開始

 ハノイから西南に50キロ離れたホアビン省にある「東亜エレコム」支社の工場では、携帯電話生産ラインの構築作業が行われていた。イム・ラウォン支社長は、「早ければ5月ごろから毎月2万台の携帯電話を生産する予定。100-120ドルの低価格なDMBフォンでベトナム市場を攻略したい」と話した。

 モバイル放送は、端末機の輸出やロイヤリティ収入など経済的利益が大きいため、IPTV(インターネットテレビ)、ワイブロとともに先進国間で熾烈(しれつ)な「標準戦争」が繰り広げられる代表的な市場だ。放送通信委員会のソン・ギョンヒ電波放送管理課長は、「DMB技術が移転されれば、関連装備や端末機などがパッケージ形態で輸出されるため、経済的効果は非常に大きい」と語った。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
関連記事 記事リスト

このページのトップに戻る