上海で韓流式美容整形が人気(下)

創刊90周年特集 「コリア・スタンダード」の世界普及

世界標準として拡大する韓国の医療技術

 最近、韓国の医療産業と技術が世界で高く評価され急成長している。国際的な製薬会社が、韓国の病院と提携して新薬を開発する臨床試験の件数も、2004年の58件から08年には216件と4倍近くに増加した。国家臨床試験事業団のイ・ドンホ副団長(蔚山医大)は「世界の人口の7割を占めるアジア市場をターゲットとし、韓国を医薬品開発の最前線基地として活用している。今や韓国は、世界的な製薬会社のトップが必ず立ち寄るべき国になっている」と語る。

 韓国の医療チームが開発した治療法が世界標準になる事例も珍しくなくなってきた。ソウル峨山病院心臓内科の朴勝挺(パク・スンジョン)教授チームは、開胸手術が必須だと考えられてきた冠動脈・大動脈の狭窄症の治療に、「ステント」と呼ばれる網状の金属の筒を入れる簡単な方法を試みた。その結果、最近では世界各国の心臓病学会がこの方法を導入している。韓国の病院で行われている生体肝移植や初期胃がんの内視鏡手術の技法も、急速に海外に広まっている。

世界の医療産業が注目する「ユビキタス」診療

 最先端の手術技法である「ロボット手術」は、韓国がメッカになっている。外科のすべての分野でロボット手術システムを導入している延世大セブランス病院には、この技術を学ぼうと世界各国から毎年200人を超える医師が集まってくる。ロボット手術の実習1回につき3000ドル(約28万4000円)を徴収する教育ビジネスも活発だ。海外で手術支援用ロボットを販売するインチュイティブ・サージカル社は、高麗大学病院外科の金宣漢(キム・ソンハン)教授が行う大腸がん手術法を撮影してビデオを制作し、教科書として活用している。

 医療と情報技術(IT)が融合した韓国の「デジタル病院」の運営体系は、医療界の「サムスン電子」ともいえる。患者が病院に足を踏み入れた瞬間、電子カード1枚で診療予約から会計までが可能で、すべての患者情報が電子カルテに記録され、 医療スタッフが携帯用端末機ででも医療用の映像や血液検査結果を検索できる。このような韓国の病院の「ユビキタス診療(患者が特に意識しなくても、コンピューターの情報技術・環境が利用されている診療)」は、世界中の病院業界から大きな注目を集めている。

上海=金哲中(キム・チョルジュン)医学専門記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
関連記事 記事リスト

このページのトップに戻る