上海で韓流式美容整形が人気(上)

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 今年3月初め、有名デパートや高級ブティックが建ち並ぶ中国・上海市中心部の人民広場周辺。ソウルでいえば明洞のど真ん中に当たるこの場所に、ハングルの看板を大きく掲げる形成外科があった。「セン韓医院(センはにんべんに全)」。名前からも「韓国式」をうたっていることが分かる。ロビーに入ると、まず最初に太極旗が目に飛び込んできた。天井には、韓国の形成外科医の顔写真がずらりと並ぶ。

 この病院では、二重まぶたの手術の場合、中国式の手術は2000元(約2万7500円)、韓国式だと2倍の4000元(約5万円)だ。写真の掲げられている韓国人医師(BK東洋形成外科・キム・ビョンゴン院長)が直接手術をすれば、費用は7.5倍の1万5000元(約20万6600円)まで跳ね上がる。院長の郭健貨氏は「キム先生は週末だけここに来て手術するが、スケジュールは2、3カ月先まで埋まっている」と話す。

 上海では現在、このように韓国式の美容整形手術を売りに営業する形成外科が30カ所以上に及ぶ。

 上海の北西部、アパートが密集する地域には、韓国の脊椎(せきつい)専門病院・ウリドゥル病院上海分院がある。中国の病院ではまだ不慣れな「最小侵襲(皮膚切開の大きさを最小限にし、 筋肉やけんなどの組織をできる限り傷つけないようにして行う)」脊椎手術がこの病院では話題だ。従来の脊椎手術は、骨を削り金属を打ち込んで固定するものだったが、この「最小侵襲手術」は、背中から脊椎の方に小さな穴を開け、内視鏡と顕微鏡を使用して椎間板(ついかんばん)ヘルニアや腰部脊柱管狭窄(ようぶせきちゅうかんきょうさく)症を治療する新技術だ。中国人の董善民さん(80)は「手術前は歩くこともできなかったが、最小侵襲手術を受けたら数日で良くなった」と満足げに語った。入院患者の大部分は、チベットや内モンゴルなど中国全土から「メスを入れない手術」のうわさを聞いてやって来た。チョン・ビョンジュ院長(神経外科専門医)は「最先端の携帯電話端末やテレビの輸出と同様に、わたしたちは独自の医療技術を武器に病院を輸出しているようなもの」と語る。ウリドゥル病院は、スペイン、メキシコ、ドバイ、日本などでも分院の設立を目指している。

韓国式の美容整形手術で大きな人気を集める中国・上海の中心部にあるセン韓医院のロビー。ロビーと天井のあちこちに韓国人医師の写真が掲げられている。韓国人医師が行う二重まぶたの手術は、中国人医師の手術よりずっと高額だ。/上海=金哲中(キム・チョルジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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