哨戒艦沈没:李大統領、背後に北の存在を示唆

 4日、李明博(イ・ミョンバク)大統領が主宰する全軍主要指揮官会議が、国防部で行われた。参加者が語ったところによると、同会議で李大統領は、「今年、韓国が6・25(朝鮮戦争)60周年行事を行うといって没頭している間に、北朝鮮がわれわれを驚かせたようだ」という趣旨の発言を行ったという。事実上、哨戒艦「天安」沈没事故の背後に北朝鮮がいる、と解釈できる発言として注目される。

 李大統領はこの日、非公開で行われた討論の中で、「韓米両国は強固な戦略を持っているが、北朝鮮は韓国を慌てさせる戦略・戦術を発展させてきたのではないか。韓国軍も、これに合わせて変わらなければならない」と語ったという。

 これに先立ち、生中継された発言の中でも、李大統領は「現在までに分かっている事実は、天安は単純な事故で沈んだのではないということだ。わたしはこの件が起きてすぐに、南北関係を含め、重大な国際問題になると直感した」と語った。また、「今回の件は、わずか50キロのところから、最も好戦的な勢力の長距離砲が韓国を狙っていることを改めて実感させた」と話した。

 続けて李大統領は、「これまで、韓国内部の安全保障態勢や安保意識は緩んできた。安保の対象がはっきり分からないようにしてしまう外部環境があり、それから軍内部の混乱もあった」と語った。李大統領が口にした「安保の対象」とは、「主敵」の概念を意味している、と大統領府(青瓦台)は説明した。天安事故の調査結果によっては、国防白書に「北朝鮮は主敵」という表現を復活させる可能性もある、と分析されている。大統領府はこの日、戦時作戦統制権(統制権)移管の延期についても、「天安事故の調査結果が出てから考えなければならない」と語った。

 これと共に李大統領は、「強い軍隊」を注文した。李大統領は「作戦も、武器も、軍隊組織も、文化も変わらなければならない」と語った。このため李大統領は、国家の安保を総括・点検する大統領直属の組織「国家安保態勢点検委員会(仮称)」を作り、安保を担当する大統領特別補佐も新設したいという意向を示した。大統領府内の危機状況センターも、危機管理センターに再編するという。

李明博(イ・ミョンバク)大統領(写真右から)をはじめ、金泰栄(キム・テヨン)国防長官、韓民求(ハン・ミング)陸軍参謀総長、李啓勲(イ・ゲフン)空軍参謀総長ら韓国軍首脳部が4日、ソウル市竜山区の国防部で行われた全国主要指揮官会議で、国民儀礼を行っている。/写真=崔淳湖(チェ・スンホ)記者

ユ・ヨンウォン記者

黄大振(ファン・デジン)記者

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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