金総書記訪中:韓米VS中朝の対決構図、再燃か(上)

 中国が北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記による訪中を許可し、対北経済支援問題について話し合われるとみられる中、米国や中国などとの国際協調を通じ、哨戒艦「天安」沈没事故を解決しようとする韓国政府の構想に亀裂が生じている。

 韓中両国は2008年5月の韓中首脳会談で、経済問題はもちろん、軍事・安全保障分野での協力対象とする「戦略的パートナー関係」を宣言した。しかし中国は、天安事故以降、北朝鮮に向けられている国際社会の「疑い」の目をあえて無視するような態度を示している。これに対し米国は、天安事故の調査に共同参加し、天安の調査が完了するまで6カ国協議の再開などあらゆる対北接触を中断するなど、韓国と歩調を合わせている。米国に対する韓国政府の依存度が大きくならざるを得ない状況だ。この結果、韓国と米国、中国と北朝鮮という、かつての「韓米同盟VS中朝同盟」の構図が再燃している、という分析が出ている。

 金総書記訪中の局面で韓国政府が最も懸念しているのは、既に2度の核実験で国連レベルの制裁を受けている北朝鮮が、核問題について主に話し合う6カ国協議の議長国である中国に、6カ国協議復帰の意思を表明し、その代価として中国が大規模な経済支援を公約する、という状況だ。国連制裁の中で北朝鮮の命脈を保つことができるのは、食糧を含む中国の対北経済支援だ。その場合、国際社会の関心が、天安事故から6カ国協議へと急速に移りかねない。

 現在まで韓国政府は、天安事故と関連し、中国に「責任ある役割」(米国務省カート・キャンベル次官補)を求める米国と共同歩調を取りつつも、一方では、活発な経済関係を土台として固められた友好関係の中で、中国が協力してくれることを内心期待していた。天安事故への北朝鮮の介入を明確に示す証拠が確保されれば、国連安全保障理事会を通じた制裁の推進に、中国が協力することも可能だとみられていた。先月30日の韓中首脳会談では、李明博(イ・ミョンバク)大統領が胡錦濤国家主席から「(韓国が)科学的かつ客観的に調査していることを評価する」という回答を引き出した、と自己評価した。しかしこれは、中国の内情も、韓国自身の力量もきちんと把握できていない「希望的観測」だったことが、わずか数日後に判明した。

【ニュース特集】金総書記4年ぶり訪中

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
関連記事 記事リスト

このページのトップに戻る