金総書記訪中:米国「6カ国協議、すぐに受け入れない」

哨戒艦沈没事故の原因究明を優先する方針

 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の訪中に対し、米国は「中国の胡錦濤国家主席との会談で、6カ国協議への復帰の意思を示したとしても、これをすぐには受け入れない」との意向を示したことが分かった。

 外交に詳しいワシントンの消息筋は3日、「オバマ政権は、韓国海軍の哨戒艦『天安』の沈没事故に関する調査結果が出た後、6カ国協議の再開について話し合うという意思を固めている。米国は金総書記が中国へ向かった直後、韓国との緊急の協議を通じ、こうした姿勢について再確認した」と語った。この消息筋はまた、国務省のカート・キャンベル次官補(東アジア・太平洋担当)が先月、「まず、『天安』の沈没の原因を究明した後、6カ国協議を再開する」と発言したことを挙げ、「この方針は現在も有効だ」と話した。

 また、オバマ政権は中国に対しても、「現時点では6カ国協議よりも、『天安』の沈没原因の究明に積極的に取り組む必要がある」との意向を伝えたことが分かった。オバマ政権は先月14日、キャンベル次官補が「韓米両国の協力関係を考慮し、当分の間、6カ国協議の再開に向けた取り組みを全面的に中止する」との意向を表明した後、数回にわたってこれを再確認してきた。

 米国のこうした姿勢は、「天安」の沈没事故に対する適切な措置を講じないまま6カ国協議を再開した場合、北朝鮮に誤ったメッセージを伝える恐れがある、と判断したためだ。北朝鮮は2007年2月13日の6カ国協議での合意を通じ、100万トン近い重油の支援を取り付けた後、核施設の無能力化に関する合意を破棄した。「6カ国協議は終わった」と主張し、対話に応じてこなかった北朝鮮は、「天安」の沈没事故によって守勢に立たされたため、「6カ国協議への復帰」を発表することで、情勢の打開をもくろんでいる。

 米国は、こうした状況下で6カ国協議が再開されたとしても、有意義な成果を生むことは期待できないとみている。北朝鮮が核開発計画の放棄という戦略的な決断をしていない状況下で、まかり間違えば、北朝鮮の立場をアピールするだけで終わるということを懸念している。

 米国務省は、金総書記の訪中が、中朝両国によって正式に発表されるまでは、正式な方針の発表はしない意向だ。

ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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