金総書記訪中:前回よりオープンな行動

 2006年以来4年ぶりに訪中した北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は、前回訪問時とは異なり、移動時に外部の視線をそれほど気にせず、オープンな姿勢が目立っている。

 最初の訪問先となった大連では、郊外の党幹部向け保養所ではなく、市の中心部にあるホテルに宿泊し、外出時にもホテルのロビーを歩いて通るなど、周囲の視線を意識しない様子だった。夜には車で繁華街に向かい、夜景を楽しんだ。

 金総書記の滞在先は大連市中心部にある富麗華ホテル(フラマ・ホテル)。同ホテルは夏季ダボスフォーラムなど国際イベントが開かれる際、外国の要人が利用してきたホテルだが、外部から目立ちやすい。金総書記は予想外の選択をした。

 滞在中にホテルの警備が強化されたことを除けば、外部からロビーへの立ち入りにも大きな制限はなかった。このため、金総書記が車を降り、ロビーを歩いて進む場面が外国メディアにはっきりと撮影された。

 丹東から大連まで300キロ以上を車で移動したのも初めてだ。自動車は列車に比べ、警備上の危険がはるかに高い。普段は外部への露出を避け、飛行機やヘリではなく、列車を好んできたことを考えると、異例とも言えるオープンさだ。

 日程が4泊5日以上に及ぶことも意外視されている。北京の外交関係者の間では、貨幣改革による経済難、「天安」沈没事故などで外部の視線を避けたい事情から、金総書記が2泊3日の短い日程で帰国するとみていた。

 金総書記の異例の行動について、北京の外交関係者は、金総書記の追い込まれた立場を反映しているのではないかと指摘する。金総書記は内外の難局を突破するため、これ以上先延ばしできない状況で、外国メディアが注目していることを知りながら訪中を強行した。このため、金総書記は過去のようにメディアをかく乱するのを事実上やめたのではないか、との分析を呼んでいる。

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

【ニュース特集】金総書記4年ぶり訪中

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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