カザフスタンの住宅に「韓流」(下)

創刊90周年特集 「コリア・スタンダード」の世界普及

カザフスタンの建築法を変えた韓国式ニュータウン

 カザフスタンのナザルバエフ大統領は、07年に行われたトンイルハイビル最初の入居式に出席した際、「最高だ」と連発し、韓国側の責任者に勲章まで授与した。さらに同大統領は、今後カザフスタンに建設するニュータウンには韓国のように緑地や住民の共用施設の設置を義務付けるという訓令まで下した。監視カメラによる防犯システム、中央制御式の給水・暖房システムは、カザフスタンの建設関連公務員の見学コースになった。2月末にはカザフスタン国営電力会社がトンイルハイビルに対し、面積30万平方メートルの用地に10階建ての社屋と社宅の建設依頼を要請してきた。

 一方、韓国の佑林建設もカザフスタンの旧首都アルマトイで33階建てのオフィスビル2棟とホテル2棟を含む2500戸規模の複合開発を進めている。06年末には、カザフスタン建築家協会から最優秀設計賞を受賞した。また今年に入り、現代建設、ポスコ建設もカザフスタンにニュータウン建設を打診するための支社を設立した。

 他の国々でも韓国式ニュータウンの建設が活発に進められている。テウォン建設はベトナム中部のダナン市で干拓事業を推進している。海岸線延長3キロの干拓事業終了後には、2017年までに人口4万人規模のニュータウンを建設する計画だ。また、ベトナムではGS建設、大宇建設なども50億ドル(約4500億円)規模のニュータウン建設を進めている。一方、北アフリカのアルジェリアでは、ハンファ、泰栄建設など韓国の建設会社25社が54億ドル(約4870億円)規模のニュータウンを建設中だ。

韓国式の床暖房が設置された居間で談笑するマラットさん一家。/写真=キム・ヨングク記者

海外のニュータウン市場拡大に期待

 開発途上国の人口増加と都市化が進むにつれ、世界的にニュータウン開発需要が高まるとみられる。海外建設協会によると、世界の都市居住人口は07年の33億人から50年には64億人へと倍増する見通しだ。このため、約19兆ドル(約1710兆円)がニュータウン開発に投資されるものと見込まれる。これは米国の国内総生産(GDP)の14兆ドルを5兆ドルも上回る金額だ。現在世界では106件、9400億ドル(約85兆円)規模の都市開発が進んでいる。内訳はオイルマネーが豊富な中東が7300億ドル(約66兆円)、旧ソ連が827億ドル(約7兆5000億円)、アフリカが731億ドル(約6兆6000億円)となっている。

 しかし、海外のニュータウン建設にはリスクも伴う。海外建設協会のキム・ジョンヒョン理事は、「国によっては建設認可を得るのに1-2年以上かかり、事業計画が遅れることもある。そのため、現地の建設規制を把握するなど十分な事前準備が必要だ」と指摘した。

カザフスタン=崔炯碩(チェ・ヒョンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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